夏風邪にかかった時、家庭での治し方を知っているかどうかは重要です。
夏風邪は普通の風邪に比べると症状が強く、長引きやすいのが特徴です。つまり、症状を抑えて早く治すためには、治療のポイントをしっかりと理解しておく必要があると言えるでしょう。
そこで今回は、夏風邪の治し方のポイントや症状別の対処方法について分かりやすくまとめてみました。
この記事を読めば、夏風邪を早く治す方法とポイントがしっかりと理解出来るようになっているので、参考にして頂ければと思います。
夏風邪の治し方のポイント4つ
夏風邪には、効果的な治療薬などが存在しません。そのため、夏風邪に感染した際には自分の免疫力で体を治すことになります。
つまり、夏風邪を早く治すためには、夏風邪のウイルスに対処出来るように、体をウイルスと戦える状態に整えてあげる必要があるというわけですね。
体の免疫力を最大限に高めるためには、以下の4つのポイントを意識しておきましょう。
- 無理に動かず睡眠と休養をとる
- 水分補給をこまめに行う
- 食事でしっかりと栄養を摂る
- クーラーを適度に活用する
無理に動かず睡眠と休養をとる
基本中の基本にして、意外と多くの方が出来ていないのが睡眠と休養です。
「高熱が出ている時は横になっていたけど、熱が下がってきたらやることもあるし動いてしまった…」なんて経験があなたにもあるのではないでしょうか。
睡眠や体を休めることは、体の免疫力を高めて自然治癒力を最大限に引き出すために最も大切な方法の1つです。
実際、なかなか治らなかった風邪が1日ゆっくりしたら治ったという経験は、僕自身も何度も体験していますし、体験したことのある方も多いのではないかと思います。
ですので、夏風邪を早く治すためにも、まずは無理をせず布団やベッドに横になることを心掛けましょう。
水分補給をこまめに行う
暑い夏の時期、夏風邪を早く治すために意識したいポイントが、水分補給をこまめに行うということですね。
実は、水分と免疫には密接な関係があります。水分は血液の流れを良くし、免疫の中心となる細胞である白血球を循環させる働きがあるためですね。
つまり、水分を適度に補給することは、免疫力UPにつながると考えておきましょう。
また、暑い夏の時期、特に気を付けておきたいのが脱水症状です。脱水症状を起こすと、夏風邪以外にも色々な症状が現れて、さらに体が弱ってしまいますからね。
喉が渇いている状態は脱水症状の始まりなので、喉が渇き始める前からこまめに水分補給を行うようにしましょう。
なお、体調不良の際におすすめの飲み物は「経口補水液OS-1」です。水分と塩分などのミネラルをバランスよく含んでいるので、特に夏場にはおすすめの飲み物ですよ。
食事でしっかりと栄養を摂る
夏風邪では、喉の痛みなどから食欲不振になるケースが多く、栄養をあまり取れていない方が多い印象があります。
しかし、「腹が減っては戦が出来ぬ」ということわざもある通り、栄養が足りていなければウイルスと十分に戦うことは出来ません。
免疫力を最大限に高めるためにも、しっかりと食事で栄養を摂るようにしましょう。
ただ、夏風邪にかかっている時は、ウイルスの影響で胃腸が弱ってしまいます。消化の悪いものを食べると無駄にエネルギーを消耗してしまい、免疫力を高めるはずが逆効果にもなりかねません。
そのため、夏風邪で弱っている時には、消化に良い食べ物を選んで食べることが大切になると言えるでしょう。
夏風邪にかかった時の食べ物や食事については、『夏風邪に効く食べ物は?下痢や喉の痛みに良い食事まとめ!』で詳しく紹介していますので、合わせて読んでおくことをおすすめします。
クーラーを適度に活用する
人は、暑い環境下にいるだけでも体力を消耗します。これは、発汗によるエネルギー消費量がとても大きいためですね。
人間は誰しも、毎日のように目に見えない汗をかいているものなのですが、そこで消費されるカロリー量は、実に300キロカロリーにも相当します。実際に汗をかくとなると、その消耗具合はなんとなく想像もつくのではないでしょうか。
つまり、汗をかけばかくほど体力を消耗して、結果的に体の免疫力が落ちてしまうというわけですね。
このような発汗による体力の消耗を抑えるためには、冷房や扇風機などの対策が効果的と言えるでしょう。
ただ、『夏風邪の原因や症状、特徴について!大人と子供の違いは?』でもお話している通り、極端なエアコンの温度設定は逆効果です。
室内と室外の温度差が5度以上にならない程度の温度設定で、クーラーをつけるのがベストと考えておきましょう。
夏風邪の症状がひどい時の対処法
ここまでは夏風邪の基本的な治し方をお話してきましたが、ここからは基本を踏まえた上で、症状別にどのように対処すれば良いのかを見ていきましょう。
高熱が出た時の対処法
夏風邪では、39度前後の高熱が出ることが少なくありません。しかし、むやみに熱を下げるのはやめておきましょう。
そもそも夏風邪で高熱が出るのは、ウイルスと戦うための戦場を有利にするためです。体温が1度上がれば免疫力は数倍になると言われていますから、むやみに熱を下げてしまうのは得策ではありません。
夏風邪による高熱は大体2~3日あれば自然と治まりますので、39度前後の熱であれば、頭や体を冷やしつつ様子を見るようにしましょう。
ただ、高熱が何日も長引く、40度以上の高熱が出る、倦怠感が異常なほどに強いという場合は例外です。
高熱で体力を消耗してしまうと逆に免疫力が落ちてしまいますので、明らかに熱がひどいケースでは病院を受診するようにしてください。医師に相談した上で解熱剤を使うようにしましょう。
喉の痛みがひどい時の対処法
夏風邪で喉が痛い場合は、喉の殺菌・消毒を行うようにしましょう。殺菌・消毒により喉に感染したウイルスを減らすことが出来るので、結果的に喉の痛みを早く治すことが出来ますよ。
特におすすめの方法は、「イソジン」を使ったうがいと、「のどスプレー」の2つですね。
イソジンを使ったうがいは、喉を直接殺菌・消毒出来るため、夏風邪の喉の痛みに効果的です。喉にいるウイルスの増殖を防ぐとともに、喉の痛みの悪化を防いでくれますからね。
実際、イソジンはロングセラー商品ですし、医師や薬剤師の間でも評判の良い商品の1つです。病院でおすすめされたことがある方も多いのではないでしょうか。
イソジンは夏風邪に限らず、喉風邪の予防などにも使えますので、一家に1つ置いておくと何かと便利ですよ。
また、市販薬でよく見るのどスプレーも、喉を殺菌・消毒するのに効果的と言えるでしょう。イソジンと似ていますが、こちらは直接喉に薬を噴射できる分、効果が分かりやすい印象ですね。
スプレーであれば、うがいでは届かない部分にも届きますので、特に喉の奥の方の痛みがひどい場合にはのどスプレーをおすすめします。
咳や痰がひどい時の対処法
夏風邪で咳が止まらない時や痰がひどい時は、無理をせず咳止めを使うようにしましょう。
ひどい咳が続くと体力を激しく消耗してしまい、結果的に免疫力が低下してしまう可能性があるので、咳止めの薬を我慢する必要はありません。
咳止めの薬には、大きく分けて痰を伴わない咳に効果的なものと、痰を伴う咳に効果的なものがあります。
ただ、痰が出るかどうかは症状次第といったところなので、常備するのであれば痰あり・痰なしのどちらの咳にも対処出来る「アネトン咳止め」などの咳止め薬をおすすめします。
ただ、もし夏風邪で1週間以上経っても咳が治らない、咳が長引くという場合には、他の病気にかかっている可能性もあります。
放置していると危険な病気もありますので、原因を特定するためにも一度病院を受診するようにしてくださいね。
下痢・嘔吐がひどい時の対処法
夏風邪の下痢や嘔吐は、体内のウイルスを排出するために起こる症状です。そのため、基本的には下痢止めや吐き気止めの薬は使わない方が良いでしょう。
夏風邪が治まるとともに自然と良くなっていく症状ですので、少し辛いかもしれませんが、自然治癒に任せるのがベストです。
ただ、下痢や嘔吐がある場合、脱水症状には注意をしておく必要があります。
下痢や嘔吐で水分が奪われてしまいますので、経口補水液OS-1やスポーツドリンクなどでこまめに水分補給を行うようにしてください。
また、吐き気や嘔吐がある場合は、無理に食事を食べる必要はありません。落ち着くまでは水分補給だけを行い、吐き気が落ち着いたら消化の良い食べ物から再開すると良いでしょう。
あとは、下痢が続くようであれば消化の良い食べ物を続けてください。下痢も落ち着いてくれば、徐々に普通食に戻して良いでしょう。
夏風邪の種類によっても治し方は違う
夏の時期に流行する風邪をまとめて夏風邪と呼ぶことが多いですが、夏風邪というのは主に「プール熱」「ヘルパンギーナ」「手足口病」の3つに大きく分けられます。
夏風邪のタイプによっては治療法や対処法が変わってきますので、自分がどのタイプの夏風邪なのか、あらかじめ調べておくようにしましょう。
夏風邪の症状については、『夏風邪の原因や症状、特徴について!大人と子供の違いは?』で詳しく解説していますので、まずはこちらの記事で夏風邪のタイプを調べてみることをおすすめします。
既にどのタイプの夏風邪か分かっている場合には、以下に個別記事へのリンクを置いておきますのでチェックしておきましょう。
■プール熱
→『大人も子供も要注意!プール熱の症状や潜伏期間について!』
■ヘルパンギーナ
→『ヘルパンギーナの3つの症状と治療について!子供が感染した場合は?』
■手足口病
→『手足口病の3つの症状とは?子供の初期症状や薬、治療について!』
まとめ
夏風邪を早く治すには、今回お話した通り「睡眠」「水分」「栄養」「環境」の4つをしっかりと整えた上で、症状別の対処を行っていくことがポイントになります。
夏風邪は症状が長引きやすい傾向にあるので、自宅では症状を長引かせないことを第一に考えて治療を進めていきましょう。
ただ、ここまでやっても症状が長引く可能性が0になるわけではありません。
もし、今回お伝えした通りの治し方を行っても夏風邪が長引くという場合には、以下の記事も合わせてチェックするようにしてください。
→『夏風邪の熱が下がらない!長引く熱や咳の原因と対処法は?』