「子供の手足口病を看病していたら大人にもうつる?」
「お風呂に入れたいんだけど、いつから入れてもいいの?」
子供が手足口病にかかると、このような感染に関する悩みを持たれる方は多いのではないでしょうか?
特に小さなお子さんが2人以上いるようなご家庭では、うつる可能性を少しでも減らしておきたいと思うのは自然なことではないかと思います。
そこで今回は、手足口病のうつる期間や感染経路、予防法などについて分かりやすくまとめてみました。
大人にもうつるのか、潜伏期間中にもうつるのか、お風呂はいつから入っても良いのかといった、ご家庭で悩みがちな疑問も含めて見ていきましょう。
手足口病は大人にもうつる?
手足口病は主に5歳以下の子供の間で流行しやすい病気ですが、大人が感染しないというわけではなく、大人にもうつることのある病気です。
と言っても、大人が感染する割合は子供ほど多くはありません。
大人は既に手足口病のウイルスに対して免疫を持っていることが多いですし、子供よりも免疫力そのものが高いですからね。
ただ、手足口病の原因となるウイルスは一種類だけではなく数種類いるため、一度かかっているからと言って再感染しないとは限りません。
免疫を持っていなければ感染する可能性は十分にありますので、注意をしておくに越したことはないでしょう。
実際、大人の方が手足口病で病院を受診してくることも少なくはありませんので、ネット上で言われているほどうつる確率は低くないと考えておいた方が良いかと思います。
手足口病がうつる期間はいつまで?
手足口病のうつる期間は、個人差もありますが大体2~4週間ほどと考えておきましょう。
唾液や鼻水からはおよそ1~2週間、便からはおよそ2~4週間ほどウイルスが出続けます。
とはいえ、手足口病は発疹や水疱などの症状が出ている段階では、既に感染力がかなり低下している状態です。
解熱後24時間以上が経過していて、発疹や水疱もかさぶたになっているのであれば、ウイルスの量も減って感染力はさほどない状態と言えるでしょう。
つまり、症状が治っているのであれば感染をそこまで心配する必要はありません。唾液や便がベタベタと付着するような状態でなければさほど心配しなくても良いでしょう。
手足口病は潜伏期間中でもうつる
手足口病は、潜伏期間中でもうつる病気です。
潜伏期間というのは、ウイルスに感染してから発症するまでの間の期間のことですね。手足口病の潜伏期間は、個人差もありますが3~5日程度と考えておきましょう。
ただ、手足口病は発熱している時が感染力のピークなので、潜伏期間中にはそこまでの感染力はありません。
潜伏期間を完全に把握することは難しいですし、感染力もさほど高くありませんので、発症した時ほどには神経質になる必要はないでしょう。
もし潜伏期間であることが分かっているという場合には、後でお伝えする予防対策を事前に行っておくと良いですね。
手足口病にかかったらいつまで人に会わない方が良い?
手足口病にかかったら、発症から症状が落ち着くまでの期間は人に会うのを避けておくと良いでしょう。
熱が下がって水疱や口内炎も枯れていれば、さほど感染させる心配はありません。
「他の子にうつさないか心配…」という方も多いとは思いますが、そもそも手足口病の感染を完全に防ぐことは困難ですし、もし仮にうつしてしまったとしても軽症で済むことがほとんどです。
大抵は子供のうちに一度は感染するウイルスなので、あまり気にしすぎないようにしましょう。
ただ、症状が落ち着いていても絶対に感染しないと言うわけではありませんので、どうしても感染させたくないという場合は話が変わってきます。
絶対にうつしたくないという場合には、唾液から感染する可能性のある2週間ほどは会うのを避けておくと良いですね。
2週間経っても便からはウイルスが出ていますが、便に直接触れたり便を触った手で触れたりしなければ大丈夫です。
トイレ後の手洗いを徹底しておけば、うつしてしまう可能性はほとんどないと考えて良いでしょう。
手足口病の感染経路は?
手足口病の原因となるコクサッキーウイルスやエンテロウイルスの感染経路は、主に以下の3つです。
- 接触感染(感染者の唾液から感染)
- 飛沫感染(咳やくしゃみから感染)
- 糞口感染(便から感染)
特にうつる原因になりやすいのは、唾液による接触感染ですね。唾液に触れるだけでは感染しませんが、唾液が手などを経由して口に入ると感染してしまいます。
唾液による接触感染については、発症から1~2週間ほど注意が必要ですね。
また、咳やくしゃみによる飛沫感染についても、発症から1週間ほどは注意をしておきましょう。
便からの糞口感染は2~4週間ほど続きますが、2週間も経つとウイルスに対する免疫が十分に出来ているため、ウイルスの排出量自体はごくわずかになります。
ただ、ウイルスの出る量が減っても100%うつらないとは言えませんので、ウイルスが出なくなるまでは次でご紹介する予防法を行っておくようにしましょう。
手足口病の予防法は?
手足口病と病名で聞くと怖く感じるこの病気ですが、実は夏風邪の一種なので基本的な対応は他の風邪とさほど大きく変わりません。
ただ、感染力自体は強いウイルスですので、発症から2週間経つまでは以下の6つの予防対策を行うようにしましょう。
- 症状が落ち着くまでの間はむやみに接触しない
- 感染者の体や触ったものに触れた場合はしっかりと手洗い・うがいをする
- トイレ後やオムツ交換後には手洗いをする
- 交換したオムツは飛び散らないように包んでビニール袋などに入れる
- 接触感染を防ぐためにタオルの共用は避ける
- 感染者にはマスクを着用させておき、こまめに手洗い・うがいをさせる
基本的には家族全員が手洗い・うがいをしっかりと行い、うんちの処理を適切に行うことが大切になります。
発症から2週間経った後も便からはウイルスが出ていますので、トイレ後やオムツ交換後の手洗いは続けるようにしましょう。
また、唾液や便が付着した場所は感染源になってしまいますので、特に唾液のつきやすい机やドアノブなどは触った後に消毒を行っておくと良いですね。
アルコール消毒は効果が薄いので、次亜塩素酸ナトリウムという成分の含まれた消毒液を使うのがおすすめです。
スプレーに入れておけば使いやすいですし、他の感染症でも使うことが出来ますので、一家に1つ持っておくと便利ですよ。
お風呂はいつから入って良いの?
お風呂は思っているよりも体力を消耗するものなので、最低でも熱が平熱に下がるまでは入浴をしないようにしましょう。
手足口病のウイルスがお風呂でうつることもありますので、出来れば水疱や口内炎の症状も落ち着いてから入るのがベストです。
また、兄弟などにうつしたくない場合は、一緒にお風呂に入れないようにしましょう。手足口病になっている子供をシャワーで済ませるか、一番最後にお風呂に入れると良いですね。
お風呂での感染は湯船を経由してウイルスがうつることで起こりますので、感染した子供の入った湯船に入らなければ感染するリスクを大幅に減らすことが出来ますよ。
ちなみに、潜伏期間中は気にするほど感染力が高いわけではありませんので、入っても問題ありません。
プールでも感染するので要注意
手足口病は、保育園や小学校のプールでもうつる可能性がありますので注意をしておきましょう。
プールもお風呂と同じで、症状が落ち着けば感染する可能性はかなり低くなります。
ただ、他の子に感染させてしまう可能性を考えると、1ヶ月間はプールに入らないのが無難ですね。
保育園や幼稚園によっては、プールに入るタイミングに決まりがある場合もありますので、確認をしておくと良いでしょう。
まとめ
手足口病は子供だけでなく大人もうつる病気ですので、看病の際には感染しないよう、予防法をしっかりと実践していきましょう。
ただ、どれだけ注意深く予防をしても、感染する時には感染します。もし子供の看病をした後に体調が悪くなったのであれば、以下の記事で初期症状を確認してみてください。
→『大人の手足口病の初期症状と治療について!仕事は出勤停止?』
また、子供の場合は治った後も保育園や幼稚園に登園する際にいくつか注意点がありますので、以下の記事でチェックしておきましょう。
→『手足口病の保育園はいつまで出席停止?登園はいつから?』