あなたは今、「とびひがなかなか治らない…」「早く治したいのに治し方が分からない…」といった風に、とびひの治療法で困ってはいませんか?
実はとびひに感染した時、意外と間違えてしまいがちなのが、とびひの治し方です。
正しい治療法や対処法を知っていれば早く治るのに、知識がないばかりに完治までに時間がかかってしまうことが少なくありません。
そこで今回は、とびひの治療期間や治療方法、対処法などについて、分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
大人と子供の治療期間の違いや、とびひの正しい治し方、悪化させずに早く治す方法、家族間で感染を広げないためのホームケアなど、治療に関連して知っておきたい情報を詳しくまとめてみました。
とびひの治療期間はどのくらい?
とびひの治療期間には個人差がありますが、正しい治療法を行えば大体一週間ほどで治ると考えておきましょう。
個人差というのは、とびひの症状の重さのことですね。とびひに感染している範囲の広さや患部の状態、かゆみのひどさなどによって治療期間は変わってきます。
軽い症状であれば2~3日で治ることもありますし、重い症状であれば2~4週間以上かかってしまうことも珍しくはありません。
また、とびひという名前の通り、掻けば掻くほど症状が飛び火するので、基本的には早く治療を開始した方が完治するまでの期間が短い傾向にありますね。
特に子供のとびひは、一度全身に広がってしまうと掻きむしるのを止めることが困難になってしまい、どんどん感染範囲が広がってしまいます。
つまり、とびひの症状が悪化する前に正しい対処と治療を行えるかどうかが、治療期間を決める要因の1つになるというわけですね。
大人と子供で治療期間に違いはある?
とびひの治療期間は、基本的に大人も子供もそれほど違いはありません。どちらかと言えば、子供に比べるとかゆみを我慢できる分、大人は子供より治りが早いケースも多いです。
ただ、大人で注意しておきたいのは、繰り返し長引くケースと重症化するケースですね。
大人の場合、ストレスや疲れによって免疫力が低下することで、とびひを発症するケースが多いです。
この場合、ストレスや疲れが取り除かれない限り免疫力は落ちたままですから、とびひを繰り返す、悪化するなどして治療期間が長引くといったことも少なくはありません。
また、大人のとびひは水疱ではなく、厚いかさぶたが出来るタイプのものであることが多く、水疱性のものと比べて重症化しやすいという特徴があります。
先ほどもお話した通り、とびひは悪化すると長引く傾向にありますので、重症化した場合には治療期間が長引く可能性は高いと言えるでしょう。
特に、元々アトピー性皮膚炎を持病として持っている成人の場合、重症化しやすいので注意が必要です。
とびひの正しい治し方は?
まず、とびひは自然治癒しにくい病気ということを覚えておいてください。「放っておけば治るでしょ」とタカを括っていると、いつまでも治らないということが少なくありません。
とびひは放置すると次々に範囲が広がっていって、治るどころか悪化することの多い病気です。放置しても治ることの多い湿疹やあせもとは根本的に違うので注意をしておきましょう。
とびひの治療には2種類の治療薬が必要
とびひの治し方は、基本的には治療薬を使った治療が基本となっています。かゆみ止めや炎症を抑えるお薬、細菌に対する特効薬である抗生物質などですね。
とびひの治療薬と聞くと、塗り薬(外用薬)を想像する方が多いと思うのですが、塗り薬だけでは十分に治療は出来ません。抗生物質の飲み薬(内服薬)も併用する必要があります。
間違った治し方に多いのが、市販の塗り薬だけを使って、抗生物質の飲み薬を使わずに治療をしているパターンですね。
とびひは感染力が高い細菌が原因となっているので、菌を無力化することの出来る抗生物質が治療には欠かせません。
「抗生物質の入った塗り薬でいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、塗り薬の場合は塗った場所にしか効果がないため、感染の拡大を抑えるのには向いていないんですね。
つまり、よほど症状が軽い場合を除いて、とびひを治すためには抗生物質の飲み薬を使うことは必須と考えておきましょう。
なお、とびひの治療薬についてもっと詳しく知りたい場合には、『とびひに効く治療薬や市販薬まとめ!リンデロンは使えるの?』を参考にしてください。
とびひの治療薬は基本的に使い切る
次によく間違えてしまいがちなのが、とびひの治療薬を止めるタイミングです。症状が良くなったからといって、すぐに薬を止めてはいけません。
とびひの原因菌は、一度感染を始めると非常に強力な細菌です。一見治りかけていたり治っているように見えても、体にはまだ細菌が残っているということも少なくはありません。
細菌が残っているのに薬を止めてしまうと、残っていた菌がまた増殖してしまいますから、結果的にぶり返してしまうというわけですね。
また、とびひは感染から発症まで2~3日ほどのタイムラグがあるので、一見綺麗に見えても潜伏期間中ということも考えられます。
医師が薬を処方する際には、こういった再発の可能性まで考えて薬を出していますから、病院でもらったとびひの治療薬、特に飲み薬は、基本的に全て使い切るようにしてくださいね。
とびひを1日でも早く治す方法
とびひを1日でも早く治すためには、以下の3つのポイントを押さえるようにしましょう。
- まずは病院を受診する
- 正しい治し方で治療を行う
- とびひの悪化を予防する
1.まずは病院を受診する
先ほどもお伝えしたように、とびひの治療には抗生物質の飲み薬が必須です。しかし、抗生物質の飲み薬は処方薬のみしか存在しておらず、市販では販売されていません。
とびひは軽い症状のケースを除けば、市販の軟膏などで治すのは難しい病気です。そのため、まずは治療薬をもらうためにも、必ず病院を受診するようにしてください。
何科を受診するか迷った場合は、基本的に「皮膚科」を受診すると良いでしょう。
「子供なら小児科」と思われがちですが、皮膚だけに起こる病気であれば皮膚科の方が専門です。大抵は皮膚科の方が、より症状に合わせた治療を受けることが出来ますよ。
2.正しい治し方で治療を行う
病院を受診して適切な治療薬をもらったとしても、使い方を間違ってしまっては元も子もありません。
医師の指示通りの用法・用量を守ることはもちろん、処方された飲み薬は全て服用するようにしてください。
あとは、飲み薬を使い切った時に症状が治っていたとしても、もう一度病院を再受診することも大切になります。
一見完治しているように見えても、再発を防ぐために薬を追加で処方されることは珍しくありません。完全に治ったと医師に判断されるまでは、自己判断をせず通院を続けるのが確実でしょう。
3.とびひの悪化を予防する
正しい治し方で治療を行っていても、とびひを悪化させるような習慣があったら治療期間が長引いてしまいます。
とびひを悪化させないためにも、以下の4つの悪化対策を実践するようにしてください。
- 肌を清潔な状態に保つ
- 爪は短く切っておく
- 患部はガーゼで保護する
- 鼻をいじらない
皮膚に付着している細菌が増殖しないように、肌を清潔に保つことは大切です。毎日1~2回は石鹸を使ってシャワーで肌を洗い流すようにしましょう。
また、引っ掻いて傷口を増やさないよう爪は短く切っておき、患部はガーゼを貼って保護しておくと良いですね。包帯を巻いておけば、ガーゼが取れる心配もありません。
ガーゼで患部に触れないようにしておけば掻きむしってしまう心配も減りますし、他の場所に感染するリスクも減らすことが出来ますよ。
ただ、同じガーゼでも絆創膏などはNGです。患部の汁を十分に吸いきれず、通気性が悪くなって余計に症状を悪化させてしまう可能性がありますからね。
あと、もし鼻をいじる癖がある場合には、鼻をいじらないように注意をしましょう。鼻の中には、とびひの原因となる「黄色ブドウ球菌」や「溶連菌」が住んでいますからね。
黄色ブドウ球菌や溶連菌といった原因菌については、『とびひに感染する原因は?大人と子供で原因が違う?』で詳しく解説しています。
家族間でとびひに感染しないための対処法
最後に、家族間でとびひに感染しないよう、自宅での対処法も覚えておきましょう。ホームケアの際に気を付けたいポイントは以下の3つですね。
- こまめな手洗いの徹底
- タオルやシーツは共有しない
- 一緒にお風呂に入らない
1.こまめな手洗いの徹底
とびひは、原因菌の付着した手で傷口を掻くことで起こる感染症です。つまり、家族全員がこまめな手洗いを行うのは、非常に効果的な対策と言えるでしょう。
洗い方は一般的な方法で問題ありません。石鹸で爪の中までしっかりと洗い、流水で洗い流せばOKです。
毎回石鹸で手を洗うのが面倒な場合は、以下のような消毒液を使った手指のアルコール消毒なども効果的ですよ。
2.タオルやシーツは共有しない
とびひに感染した人の使ったタオルやシーツには、原因菌がたっぷりと付着していますので、家族間での共有は避けましょう。兄弟はもちろん、親が共有することも避けた方が無難です。
タオルは別々のものを使うようにし、シーツは使うたびに洗うようにしてください。洗濯物は一緒で構いませんが、菌を繁殖させないために乾燥はしっかりと行うようにしましょう。
3.一緒にお風呂に入らない
一緒にお風呂に入ってしまうと、とびひに感染した部分が触れた際に、他の子などに感染をしてしまう可能性があります。
家族に感染すると、全員の症状が治るまでには時間がかかってしまいますので、とびひの症状が残っているうちはシャワーで済ませるようにしましょう。
この他にも、感染と予防に関するお話は『とびひは赤ちゃんや大人にうつる?お風呂やプールはいつから?』でご紹介していますので、合わせて読んでおくと良いでしょう。
まとめ
とびひは自然に治ることが少なく、適切な治療や対処法を行わなければ、なかなか治らない病気です。
特に、とびひの治し方を間違えている人が多いので、まずは今回お伝えしたような正しい治療方法を実践することを意識するようにしてください。
あとは、とびひを悪化させないように対処することで、治り方も変わってくるかと思いますよ。
また、子供のとびひの場合は、保育園や幼稚園への登園の再開にも注意が必要です。
詳しくは『とびひで保育園は休みになる?登園許可はいつから出るの?』で説明していますので、子供がとびひに感染した場合には一度読んでおくことをおすすめします。