あなたは咳が出て辛い時、どうやって咳を治していますか?体を休めたり薬を飲んだりといったことももちろん大切ですが、意外と気を付けておきたいのが食事です。
食べ物や飲み物は喉に直接触れるものですから、咳が出る時にはやはり気を使いたいところ…。特に、「早く咳を治したい!」という人にとって、咳によく効く食事を知っておくことはとても大切になります。
そこで今回は、咳止めに効く食べ物と飲み物を、特に良いものに絞ってまとめてみました。
ここに書いてある食べ物と飲み物を押さえておけば咳止め対策はバッチリですので、いざという時のためにブックマークしておきましょう。
咳止めに効く食べ物7つ
まずは、咳止めに効果的な食べ物からですね。7つほどご紹介していますので、食べやすいものや料理に取り入れやすいものを選んで使ってみてください。
大根
ちょっと意外かもしれませんが、咳止めによく効く野菜の筆頭といえば大根ですね。
何といっても、炎症を抑える効果のある「イソチオシアネート」という成分が含まれているのがポイントです。イソチオシアネートというのは、いわゆる大根の辛味成分のことですね。
咳はほとんどの場合、喉や気管支の炎症が元となって起こります。炎症を抑える大根の成分は、咳の症状と相性が良いと言えるでしょう。
生姜(しょうが)
あなたは、「風邪の時に生姜が良い!」という話を聞いたことがありませんか?実はその通りで、生姜には殺菌作用を始め、炎症を抑える作用や免疫力を高める効果などがあります。
喉の炎症を抑えるだけでなく、ウイルスや細菌を殺菌し、さらに免疫力まで高めてくれるわけですから、風邪を引いた時に出てくる咳にはまさにうってつけの食材と言えるでしょう。もちろん、風邪以外が原因で起こる咳にも効果的ですよ。
生姜を摂る際には、後でご紹介する「しょうが湯」が簡単に作りやすいので、ぜひこの機会に取り入れてみましょう。
ネギ
「風邪を引いた時には首にネギを巻くと良くなる」という話、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
一見うさんくさい話ですが、実はこれ、あながち間違いとも言えません。というのも、ネギの匂いの元となっている「硫化アリル」という成分には、血行を良くして免疫力を高める作用があるんです。
ただ、匂いを嗅ぐだけでは、ネギに含まれている殺菌効果を持つ成分「ネギオール」を摂ることが出来ません。どちらかと言えば、首に巻くよりは食べた方が効果を期待できると考えておきましょう。
玉ねぎ
玉ねぎにも、ネギと同じく「硫化アリル」という成分が含まれています。あの目や鼻にツーンとくる匂いがそれですね。
免疫力を高めて、咳の原因を根本から治すような効果が期待出来ます。もちろん、喉の痛みや腫れなどの症状にも効果的ですよ。
硫化アリルは熱に弱いので、スライスしたものをサラダなどにして、そのまま食べるようにしましょう。食べにくい場合は、はちみつをかけて食べるのもおすすめですよ。
れんこん
れんこんは、漢方などでも喉や気管に良いとされている食材です。その秘密は、れんこんに含まれる「タンニン」という成分にあります。
タンニンは、喉などの炎症を抑える作用を持っており、咳や喉の痛みがある時に効果的な成分です。
また、れんこんには「ムチン」という成分も含まれています。ムチンには喉の粘膜を保護する働きがあるので、咳や喉のイガイガを和らげる効果も期待出来ますよ。
梨(なし)
「咳止めに梨?」と思われるかもしれませんが、意外にも果物の中ではイチオシです。咳止めに効果的な「ソルビトール」という成分が含まれており、咳や痰に効きますよ。
また、梨は知っての通り水分の多い果物ですから、喉の乾燥を防ぐ効果も期待出来ます。
喉の乾燥で咳が余計に悪化しないよう、おやつや食後にデザートとして食べてはいかがでしょうか。
はちみつ
今回ご紹介した食べ物の中でも、特におすすめしたいのがはちみつですね。はちみつが健康に良いのは何となく知っているかと思うのですが、実は咳止めとしても高い効果を発揮します。
はちみつは、強い殺菌作用と粘膜を保護する作用、免疫力を高める作用などを合わせ持った、咳止めには最強の食品です。
ただ、あまり知られていないのですが、はちみつなら何でもいいというわけではありません。詳しくは以下の記事で解説していますので、合わせてチェックしておきましょう。
→『咳止めにははちみつが効果的!大根や生姜と合わせたレシピは?』
咳止めに効く飲み物3つ
次は、咳止めに効く飲み物ですね。1日に何杯も飲むことになるものですから、咳が早く治るように、自分に合ったものを選びましょう。
緑茶(番茶)
「風邪の予防に緑茶うがいが効果的!」という話を聞いたことがありませんか?これは、緑茶に含まれる「カテキン」という成分に殺菌効果があるためです。
緑茶は飲むだけで喉が殺菌され、ついでに喉もうるおうので、咳が辛い時にはお茶代わりに飲むと良いでしょう。
ただ、緑茶には喉の治りを遅らせてしまう「カフェイン」を多く含むものもあるので注意が必要です。玉露(ぎょくろ)や抹茶(まっちゃ)などは避けて、一般的な番茶(ばんちゃ)を飲むのがおすすめですよ。
ハーブティー(ペパーミント、カモミール)
ハーブティーの中でも、ペパーミントティーやカモミールティーは喉の炎症を和らげるのに効果的です。
日本でハーブティーというと少しオシャレなイメージですが、本場のヨーロッパでは薬のように扱われている飲み物です。いわば、西洋の漢方といった感じですね。
昔から咳や喉の痛みを楽にするのに使われてきた背景もあるので、その効果は折り紙つきと言えるでしょう。
しょうが湯
しょうが湯は、風邪の時によく飲まれることからも分かる通り、咳にも効果的な飲み物です。喉の炎症を抑える、免疫力を高めるといった効能が期待出来ますよ。
作り方は簡単で、生姜をおろした後、お湯に溶かして飲むだけです。お湯150mlに対して大さじ1杯ほどのおろし生姜を加えれば良いでしょう。
ただ、体調の悪い時に生姜をすりおろすのはなかなか大変です。市販されている粉末状のしょうがであれば楽に摂ることが出来ますので、面倒であればこちらを使うようにしましょう。
子供や妊婦の食事について
今回お伝えしたものはどれも普通の食べ物や飲み物ですので、基本的には副作用を気にする必要はありません。
ただ、子供や妊婦の場合は、一部摂ってはいけないものがありますので注意をしておきましょう。具体的には、今回ご紹介したもののうち、以下のものは避けるようにしてください。
子供が避けるべきもの
- はちみつ
- 生姜、しょうが湯
- 緑茶
まず、はちみつは1歳未満の赤ちゃんには絶対に与えないようにしてください。
はちみつには「ボツリヌス菌」という菌が含まれていることがあり、胃腸が未熟な赤ちゃんはこれに感染してしまう場合があります。
命に関わるケースもありますので、はちみつは1歳を過ぎてから食べさせてあげるようにしてくださいね。
生姜やしょうが湯については、他の食品に比べると刺激が強いので、3歳未満の子供は避けておきましょう。
また、緑茶などのカフェインを多く含む飲み物も、3歳未満は避けておいた方が良いでしょう。子供はカフェインを分解する力が弱いですからね。
他の食品については、離乳食でOKなものであれば与えて問題ありません。ハーブティーも離乳食を食べる頃から飲むことが出来ますよ。
妊婦が避けるべきもの
- 緑茶
- ハーブティー
妊婦の場合は、緑茶などのカフェインを含む飲み物は避けるようにしてください。少量であれば問題ありませんが、多量に飲むとお腹の赤ちゃんに影響が出てしまうことがあります。
また、妊娠中はハーブティーも飲まないようにしましょう。一部のハーブティーには子宮を収縮させる働きがあるため、こちらも赤ちゃんへの影響が心配です。
妊娠中に飲むのであれば、ミネラルウォーターや麦茶など、余計な成分が含まれていないものを飲むようにしましょう。
今回お伝えした中では、しょうが湯がおすすめになります。妊婦にもお腹の赤ちゃんにも害がありませんので、安心して飲むことが出来ますよ。
なお、授乳中については、緑茶はNGですがハーブティーはOKです。ハーブティーの成分は子宮の収縮を引き起こすものなので、産んだ後であれば影響はありません。
その他、今回お伝えした食べ物は全て食べても問題ありません。はちみつもお腹の赤ちゃんには影響を与えませんので、気にせず食べて大丈夫ですよ。
咳を止めたい時に摂ってはいけないもの
最後に、咳を止めたい時に摂ってはいけない食べ物や飲み物をチェックしておきましょう。特に注意しておきたいのが、以下の2種類のものですね。
香辛料などの刺激物
とうがらしやわさびといった刺激の強いものは、咳を誘発してしまうことがあるので避けておきましょう。
その他には、お酢や梅干し、柑橘類、にんにくなども食べない方が無難です。カレーライスなども、多くの香辛料を含んでいるのでやめておきましょう。
カフェインやアルコール
カフェインやアルコールは、喉の治りを遅くしたり、喉の炎症を悪化させてしまうことがあります。結果的に、咳がなかなか治らない、咳がひどくなるといったことが少なくありません。
コーヒーや栄養ドリンク、玉露、抹茶などのカフェインを多く含む飲み物、ビールやチューハイ、サワーといったお酒類は、咳が治るまで控えておきましょう。
まとめ
今回は、咳止めに効く食べ物と飲み物について色々とご紹介してきました。長くなったので、もう一度簡単にまとめておきましょう。
■咳止めにおすすめの食べ物
大根、生姜、ネギ、玉ねぎ、れんこん、梨、はちみつ
■咳止めにおすすめの飲み物
番茶、ペパーミントティー、カモミールティー、しょうが湯
■咳を悪化させてしまうもの
香辛料などの刺激物、カフェイン、アルコール
簡単に言えば、ここに書かれている咳を悪化させるものを避けつつ、咳止めに良い食べ物や飲み物を取り入れればOKです。
あとは、しっかりと体を休めることで、大抵の咳はすぐに治まっていきますよ。咳は万病の元にもなる症状ですから、普段の食事から気を付けていきましょう。
また、もし今回お伝えしたような食事を取り入れても咳が治らない場合は、何かしらの病気という可能性も考えられます。
ひどい咳の症状がある、2週間以上咳が続くという場合には、以下の記事を読んで自分の症状をチェックするようにしてくださいね。