プール熱の症状が出た子供

 

「突然高熱が出たと思ったら喉の痛みや目の充血も出てきた!」

こんな症状が出た場合、もしかしたらそれは「プール熱(咽頭結膜熱)」という病気かもしれません。

 

プール熱は一般的な風邪と比べてとても感染力が高く、春から夏にかけて流行しやすい夏風邪の1つです。

子供がかかる感染症というイメージを持たれている方が多いのですが、実は大人にもうつることがあるので、看病の際には病気についてしっかりと理解をしておく必要があります。

 

そこで今回は、そんなプール熱の症状や潜伏期間、治療法などについて分かりやすくまとめてみました。

プール熱をうつさない、うつされないための予防対策についても詳しく書いていますので、ぜひ参考にしてくださいね。


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プール熱(咽頭結膜熱)とは?

プール熱とは、正式名称は「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」という病気で、その名の通りプールでうつることの多い感染症です。

原因は「アデノウイルス」というウイルスで、感染力がとても強く、現れる症状も普通の風邪と比べると激しいという厄介な特徴を持った病原体ですね。

 

ただ、プールで感染しやすいとは言っても、必ずしもプールだけで感染するというわけではありません。

風邪のように咳やくしゃみで感染することもあるため、幼稚園や保育園、学校といった免疫力の低い子供が多い場所でも集団感染を引き起こします。

 

また、発症するのは乳児や幼児ばかりではなく、看病をしていた大人にうつるということもあります。

大人は子供に比べると感染しにくいのですが、プール熱を発症するアデノウイルスには複数の型があるため、一度感染しただけでは免疫が十分ではありません。

そのため、一度かかっていたとしても再感染する可能性がありますので、看病をする際には注意が必要です。

 

参考:『アデノウイルスの大人の症状!感染したら仕事は出勤停止?』

 

プール熱の潜伏期間は?

目をこする子供

 

プール熱の原因であるアデノウイルスが感染してから発症するまでの潜伏期間は、感染してからおよそ5~7日間です。

一般的なウイルスに比べると、潜伏期間が少し長いのが特徴ですね。

 

また、アデノウイルスは潜伏期間中でも感染力を持っているため、「知らない間に他の人にうつしていた…」といった状態になりがちです。

症状が出ていないうちから感染に気付くことは困難なので、これも感染が拡大しやすい原因と言えるでしょう。


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プール熱の感染経路は?

プール熱の感染経路は、主に以下の2つですね。

  • くしゃみや咳による「飛沫感染」
  • 唾液や目の粘膜に触れて感染する「接触感染」

 

感染した人の目の粘膜や唾液が、何らかの形で他の人の目や口に入ることで感染します。特に多いのがプールを介しての感染とタオルを共有することによる感染ですね。

その他には、プール熱になっている人が触ったものなどから感染することも多いです。

 

元々の感染力が強い上に感染経路が幅広いため、他の人への感染を防ぐには後で説明する予防対策をしっかりと行うことが重要になります。

 

プール熱の症状は?

熱の症状がある子供

 

プール熱の主な症状は以下の3つですね。

  • 高熱(38~40度程度)
  • 喉の症状(激しい喉の痛みと腫れ)
  • 目の症状(目の充血、痛み、かゆみ、目やになど)

 

必ずこの3つの症状全てが発症するとは限らず、3つ全ての症状が出ることもあれば、不完全に症状が現れるという場合もあります。

 

特に大人の場合は子供に比べて免疫力が高いため、症状が軽く出るということも少なくありません。

高熱が出ない、喉の腫れはあるが喉の痛みはない、目のかゆみがないといったイレギュラーな症状も起こることがありますので、一応注意しておきましょう。

 

また、上に書いた3つの症状の他にも、咳が出る、頭痛がある、腹痛や下痢がある、リンパ節に腫れがある、体のだるさがあるといったこともあります。

赤ちゃんや幼児の場合には、合わせてウイルス性の発疹や湿疹が現れるというケースもありますので、こちらも一応確認をしておくと良いですね。

 

症状の経過としては急な発熱から始まり、ほぼ同時か少し遅れる形で喉の症状や目の症状が現れるという流れが一般的です。目の症状は片目だけから両目に広がることが少なくありません。

38~40度の高熱は発症から3~7日続き、喉の痛みや腫れ、目の充血、目やに、目のかゆみなどの症状は3~5日続くことが多いです。

 

一見すると症状の強い風邪のようにも見えますが、症状の続く期間や感染期間が普通の風邪と比べると長いため、プール熱かもしれないと思ったら必ず病院を受診するようにしましょう。

何科が良いのか迷った場合は、子供であれば「小児科」、大人であれば「内科」を受診するのが間違いありません。目の症状が強い場合には「眼科」を受診しても良いですね。

どの科を選んだとしても、症状をしっかりと診た上で必要であればアデノウイルスの検査を行ってもらえますよ。

 

アデノウイルスの検査方法や費用などについては、以下の記事で詳しくご紹介していますので参考にしてくださいね。

『アデノウイルスの検査方法や費用は?検査キットは保険適応?』

 

プール熱の治療方法や対処法は?

熱をはかる親子

 

プール熱の治療期間は、症状の強さや個人の免疫力にもよりますが大体5~7日です。

ただ、プール熱は感染力が強いため、感染のリスクを最小限にするために10日前後は休むのが一般的と考えておきましょう。

 

また、プール熱には効果的な治療薬が存在しないため、症状を抑えながら自然治癒を待つ「対症療法」が治療のメインになります。

解熱剤や目薬などのお薬は処方されますが、基本的には風邪と同じで、免疫力を高めて回復を待つというのが治療の方法になりますね。

 

具体的には、以下の3つの対処法を行っていくと良いでしょう。

  1. 動き回らずゆっくりと休む
  2. 栄養のある食べ物を食べる
  3. 水分補給をしっかりと行う

 

1.動き回らず自宅でゆっくりと休む

基本ではありますが、実は体調が悪くても動き回ってしまう人は意外と少なくありません。

特に仕事のある社会人や主婦の方の中には、経験があるという人も居るのではないでしょうか?

 

免疫力は横になって休むことで高まりますので、症状が治まるまでは必ず寝て過ごすようにしましょう。

 

2.栄養のある食べ物を食べる

プール熱では、ただでさえ体がだるいのに喉の痛みもひどいことが多く、食事が喉を通り辛くなるということがよくあります。

ただ、だからといって食事を食べないでいると、免疫力を高めるために必要な栄養が足りなくなってしまいますので、少しでも食べるようにしましょう。

 

おすすめの食事は、栄養がとれて消化も良く、のどごしの良い食べ物を使った料理ですね。おかゆやうどん、にゅうめんなどに味付けをして食べると良いでしょう。

それでも食べ辛い場合には、ゼリーやアイスクリームなどが比較的食べやすいかと思います。

 

赤ちゃんの場合は、母乳をそのまま続けて問題ありません。1回に飲ませる量を減らして、回数を増やすようにしましょう。

ミルクの場合も、そのまま続けて大丈夫です。下痢がひどい場合のみ、ミルクを普段の半分くらいに薄めて飲ませてあげると良いですね。

 

3.水分補給をしっかりと行う

プール熱では高熱に加えて下痢になることも多く、思っている以上に体の水分が出て行ってしまいますので、脱水症状に注意をしましょう。

脱水症状を引き起こさないためにも、こまめな水分補給を行うことが大切です。

 

水分補給におすすめの飲み物は、薬局やドラッグストア、通販などで販売されている「経口補水液(けいこうほすいえき)」ですね。

乳児の場合は、赤ちゃん向けのポカリスエットがありますので、安全面も考えてこちらを使うようにしましょう。

 

水やお茶では補いきれないミネラルや糖分も適度に補給できますので、これを機に購入してみてはいかがでしょうか。

 

プール熱をうつさないための予防法は?

手洗いで感染予防

 

プール熱はとても感染しやすいウイルスなので、看病などをしている間に家族にうつらないよう注意をする必要があります。

 

プール熱をうつさない、うつらないためにも、家庭内では以下の4つの予防対策をしっかりと行うようにしましょう。

  1. 目を触らない、こすらない
  2. 手洗いとうがいをこまめに行う
  3. お風呂などでのタオルの共有を避ける
  4. お風呂は最後に入るかシャワーを使う

 

1.目を触らない、こすらない

プール熱に感染した子供や家族がいる場合、家の中にはいたるところにアデノウイルスが存在していると考えておきましょう。

知らないうちにどこかに付着したウイルスに触っていると、その手で目に触れることで感染してしまいます。

 

もしあなたが感染者である場合は、自分の目をこすらないように注意しましょう。感染が広がる原因になってしまう可能性があります。

目やになどを取る際には清潔なティッシュを使うようにし、使い終わったらすぐに捨てるようにしてください。

 

2.手洗いとうがいをこまめに行う

アデノウイルスは咳やくしゃみなどでも広がりますので、一緒に暮らしている人は全員手洗いとうがいをこまめに行いましょう。

手を洗う際には、爪の中や指の間、手のしわまで忘れずに洗うようにしておくと良いですね。

 

また、目の粘膜や唾液ほどではないものの、便からもウイルスは排出されます。

そのため、トイレの後や感染した赤ちゃんのオムツを変えた後には、特に手洗いをしっかりと行うようにしておきましょう。

 

3.タオルの共有を避ける

ハンドタオルやバスタオルなどにウイルスが付着すると、そこから直接目に感染する可能性があります。

家族間での感染を避けるためにも、タオルは必ず感染者と分けて使うようにしましょう。

 

4.お風呂は最後に入るかシャワーを使う

感染者が先にお風呂に入ってしまうと、ウイルスがお湯に残って後に入る人に感染する危険性があります。

そのため、基本的にお風呂は最後に入るようにして、急ぎの場合にはシャワーを使うようにしましょう。

 

まとめ

プール熱は初期症状らしい症状がなく、急に高熱が出る病気なので、初めて見ると驚かれることも多いのではないかと思います。

ただ、しっかりと対処を行っていけば1週間ほどで治まりますので、ぜひ今回お伝えした対処法を実践してみてくださいね。

 

また、繰り返しお伝えしている通り、感染力の強いプール熱では予防がとても大切になります。

家族だけでなく他の人にもうつしてしまう可能性がありますので、必ずしっかりと予防対策を行うようにしましょう。

 

なお、プール熱の出席停止期間や保育園への登園については、以下の記事で詳しくまとめていますので、こちらも合わせて読んでみてください。

『プール熱の出席停止期間は?保育園の登園はいつから?』