「夏風邪が長引いてなかなか治らない…」という方は意外に多いのではないでしょうか?
実際、夏風邪は冬の風邪に比べると回復までにかかる期間が長く、熱が下がらない、咳が止まらないというケースも少なくはありません。
そこで今回は、夏風邪の熱や咳が長引く場合の原因と対処法について、詳しくお話したいと思います。
他の病気の可能性はあるのか、どのくらい長引いたら病院に行けば良いのかなど、夏風邪の症状が長引く場合に気になる点をまとめてみました。
夏風邪で熱や咳が長引く原因
まず、夏風邪が冬の風邪に比べて長引くこと自体は、そこまで気にする必要はありません。というのも、夏風邪は冬風邪に比べると元々長引きやすい風邪だからですね。
夏風邪は冬の風邪とは原因となるウイルスが違うので、完治までに1週間前後かかるのが普通です。一般的な風邪は2~3日で治ってしまいますから、長引くように感じるのも自然なことというわけですね。
つまり、夏風邪が発症してまだ1週間も経っていないという場合には、慌てず治療を続けておけば良いでしょう。
夏風邪の治し方のポイントについては『夏風邪の治し方!咳や喉の痛み、高熱を早く治す方法はある?』で詳しくお話していますので、こちらの記事を参考にしてください。
一方で、1週間以上に渡って熱や咳などの症状が続いているという場合には、少し注意をする必要があります。
夏風邪の症状はおよそ1週間前後、遅くとも2週間以内には完治するのが普通です。もしそれ以上長引いているという場合には、何かしら原因があると考えた方が良いでしょう。
具体的には、免疫力が低下していてなかなか治らないパターン、他の病気を合併していて治らないパターンの2つを考えておくと良いですね。
夏風邪が長引く原因その1:免疫力の低下
夏風邪にかかる夏の暑い時期というのは、免疫力が低下しやすい時期でもあります。エアコンなどが原因で自律神経が乱れて、体調を崩しやすくなるためですね。
この体調を崩しやすくなっている状態が、いわゆる「夏バテ」です。あなたも一度は夏バテを経験したことがあるのではないでしょうか。
夏バテによって免疫力が低下すると、夏風邪にかかりやすくなるだけでなく、夏風邪が長引くことも多くなります。
免疫力というのは、分かりやすく言ってしまえば「あなたという国の兵力」です。外敵が攻め込んで来た時に兵隊が弱っていては、鎮圧に時間がかかってしまうのは当然と言えるでしょう。
夏風邪が長引く原因その2:他の病気の可能性
夏風邪の症状が1週間以上長引く場合、一応考えておきたいのが「症状のよく似た別の病気に感染している」というケースです。
これは例えば、夏風邪が治りきる前に別の風邪に感染した、症状が悪化して体の他の部位にもウイルスが感染したといった場合のことですね。
合併する病気は、鼻風邪や喉風邪のような軽いものから、肺炎や髄膜炎といった重症なものまで様々です。
免疫力が低下して長引くケースほど頻度は多くありませんが、病気の種類によっては重症化する危険もありますので、気を付けておく必要はあると言えるでしょう。
夏風邪で熱が下がらない場合の対処法
夏風邪で熱が下がらない場合、まずチェックしておきたいのが熱の続いた期間です。
2~3日で落ち着くようであれば特に問題ありませんが、4日以上続く場合には長引いていると考えましょう。熱が上がったり下がったりを繰り返す場合も同じです。
高熱が4日以上続く場合
熱が長引く場合というのは色々なケースが考えられるのですが、真っ先に気を付けたいのは夏風邪の症状が悪化して合併症を引き起こしているパターンですね。
合併症としては、主に胃腸炎や気管支炎、肺炎、髄膜炎などが考えられます。大人や子供関係なく、どれも高熱が続くことが多いのが特徴ですね。
これらの症状は放置すると危険なこともありますので、高熱が4日以上続くようであれば一度病院を受診した方が良いでしょう。
微熱が1週間以上続く場合
また、微熱が続く、熱が上がったり下がったりするという場合には、単純に夏風邪が治りきらずに長引いている可能性が高いです。
他に激しい咳や下痢・嘔吐などの目立った症状が現れていないのであれば、緊急性は低いと考えられますので、自宅でしっかりと療養しつつ様子を見ておいても良いでしょう。
夏風邪を治すことが熱を下げることに繋がりますので、『夏風邪の治し方!咳や喉の痛み、高熱を早く治す方法はある?』を参考にしながら治療を続けるようにしてください。
ただ、微熱でも1週間以上続くようであれば、やはり一度病院を受診しておいた方が良いでしょう。長引く微熱には病気が潜んでいる可能性もありますからね。
夏風邪で咳が止まらない場合の対処法
夏風邪で咳が止まらない場合、最初にチェックしておきたいのは咳がどのくらいの期間続いているのかということですね。
夏風邪では1~2週間咳が続くケースもありますので、咳以外に目立った症状がない場合は、2週間ほどは様子を見ても問題ありません。
痰があまり出ない咳が2週間以上続く場合
軽い咳でも2週間以上続く場合は注意をしておきましょう。喘息の一歩手前の「咳喘息(せきぜんそく)」という病気の可能性があります。
咳喘息は、風邪の後に咳だけが長引くケースで多いのが特徴です。特に熱が出ない、痰があまり出ない空咳(からぜき)が2ヶ月以上続いた場合には、咳喘息を疑った方が良いでしょう。
咳喘息は、放置していると本格的な喘息になってしまう可能性があります。夏風邪の症状は落ち着いたのに咳だけが続くような場合には、一度病院を受診して検査を受けておきましょう。
痰を伴う咳が2週間以上続く場合
夏風邪の後で痰を伴う咳が続いている場合は、主に別の風邪に感染している、あるいは夏風邪の症状が悪化しているという可能性が考えられますね。
別の風邪に感染している場合は、風邪によくある喉の痛みやくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを伴います。
特に慌てる必要はありませんので、体をしっかり休めることを第一に考え、早めに治るよう心掛けましょう。
一方、夏風邪の症状が悪化して咳が長引く場合は、気管支炎や肺炎などを起こしている可能性があります。
痰がらみの咳や発熱、息切れ、場合によっては呼吸困難感などを伴いますので、見た目にも明らかに症状がひどい場合は、夏風邪の悪化を疑いましょう。
放置していると、さらに症状が悪化してしまう可能性もありますので、すぐに病院を受診するようにしてください。
まとめ
夏風邪は元々長引きやすい病気ですが、特に熱や咳が長引くケースには注意が必要です。
今回お伝えしたような病気が潜んでいる可能性もありますので、軽い症状だとしても長引く場合は油断をしないようにしましょう。
夏風邪の症状については、『夏風邪の原因や症状、特徴について!大人と子供の違いは?』で詳しくご紹介していますので、合わせてチェックしておくことをおすすめします。
また、自宅で治療を行う場合は食事も大切になってきます。『夏風邪に効く食べ物は?下痢や喉の痛みに良い食事まとめ!』を参考にしつつ食事を選ぶと良いでしょう。