「大人が手足口病に感染した場合の初期症状や治療期間が知りたい」
「口内炎の痛みがひどすぎるんだけど…いつまで続くの?」
手足口病といえば子供の病気というイメージなので、大人の手足口病を見たことがある人は少ないのではないでしょうか?
初期症状や治療期間は子供と違うのか?大人は症状がひどいと聞くけど実際どのくらいひどいのか?仕事は出勤停止になるのか?といった部分は、気になる方も多いのではないかと思います。
そこで今回は、大人の手足口病の症状や治療、対処法などについて分かりやすくまとめてみました。
大人の手足口病の初期症状は?
大人の手足口病は、まず初期症状として水疱(水ぶくれ)が現れます。病気の名前の通り、手や足、口の中に水疱が出来ますが、体などの他の部位に水疱が出来ることはありません。
水疱が出来やすい部位は、手のひら、足の裏、口の中全般ですね。特に口の中は唇の裏から喉の奥、舌の付け根などにも水疱が現れる場合があります。
初期症状として発熱が出る場合もあるのですが、およそ3人に1人出るかどうかといったところですので、人によるところが大きいと言えるでしょう。
また、水疱が出るより前に痛みやかゆみを感じる場合もありますので、喉の痛みや口の中のかゆみなどにも注意をすると良いですね。
大人の手足口病の症状や経過について
大人の手足口病で出てくる症状は、基本的には子供とほとんど同じと考えておきましょう。
ただ、子供に比べると症状はひどいことが多く、微熱で済むところが高熱になったり、口の中の痛みが激しいといったことが少なくありません。
初期症状も含め、大人の手足口病でよく現れる症状は以下の通りです。
- 手・足・口の中の水疱
- 口の中や喉の痛み
- かゆみ(口の中が多い)
- 発熱(高熱になることが多い)
- 体のだるさ
- 口内炎(口の中の水疱が割れることによる)
- 食欲低下
初期症状の時にもお話した通り、手足口病で必ず出る症状は手足や口の中の水疱です。
大人の場合はこの水疱による症状がひどいケースが多く、水疱が潰れて出来る口内炎が原因で口の中や喉にひどい痛みを感じることも少なくありません。
口内炎による痛みは、多くの場合3~5日目あたりにピークを迎えます。症状がひどい間は口に物を入れるだけでも激痛が走り、食事もままならないといった状態になりがちですね。
また、足に水疱が出来た場合は、体重がかかって痛い、こすれて痛いといったことも多いです。
その他、大人の手足口病では高熱も合わせて出てくることが多いですね。
熱が出るのは3人に1人といったところですが、いざ発熱することになると高熱になりやすいと考えておきましょう。
大人の手足口病のその他の症状
上に書いたもの以外の症状として、下痢や嘔吐、頭痛、筋肉痛、悪寒などの症状が現れる場合もあります。
下痢や嘔吐などはまれな症状ですが、ウイルスが胃腸にも感染した場合に起こることがありますので、一応注意しておきましょう。
あとは指などに発疹が出た場合、発症から1~2ヶ月後になって爪がはがれることも少なくありません。
爪がはがれると聞くとゾッとしますが、さほど痛みなどはなく、新しい爪も自然に生えてきますので、それほど心配はしなくても大丈夫です。
手足口病の経過について
症状の大まかな経過としては、発熱は発症から2~3日、水疱や口内炎は発症から7~10日ほど続くと考えておきましょう。
発熱と水疱はほぼ同時、もしくは水疱が少し遅れて現れ始めますが、口内炎は水疱が潰れて出来るため、2~3日遅れて熱が下がる頃に出てくることが多いです。
口内炎が出始めてからは、口の中や喉の激痛が出てきます。おそらく口内炎がひどくなる前も喉の痛みは多少あったかと思うのですが、ここで出てくる痛みはこれまでとは比較になりません。
口内炎による痛みのピークは発症から3~5日目あたりで、あまりに痛いので食事を口に入れるのも辛い状態が続きます。
そして、発症から6日目あたりから徐々に口の中や喉の痛みが軽くなっていき、7~10日あたりで痛みがほぼ落ち着くといった経過をたどることが多いですね。
最終的に、水疱や口内炎が枯れた段階で完治と言えるでしょう。
ただ、経過や現れる症状は人によっても変わってきますので、必ずしも同じような経過をたどるとは限りません。ここに書いた内容は、あくまで参考程度として読むようにしてください。
大人の手足口病の治療法と対処法について
手足口病には、いわゆる特効薬のようなものを使った治療方法はありません。そのため、一般的な風邪などと同じで、症状を緩和する「対症療法」が中心に行われています。
大人の手足口病で言えば、高熱に対する解熱剤、痛みに対する鎮痛剤、かゆみに対するかゆみ止めなどですね。
つまり、治療はあくまで自然に治るのに任せる形で、症状がひどい時だけ薬に頼るというイメージを持っておけば良いでしょう。
ただ、自然治癒するとは言っても、早く治すためには適切な対処法を行う必要があります。自宅で対処する際には、以下の3つのポイントをおさえておきましょう。
- 水分補給を行いつつ休養する
- 口内炎による痛みがひどい場合も食事を食べる
- イソジンでうがいをして喉を消毒する
1.水分補給を行いつつ休養する
大人の手足口病は、症状が重症化しやすいことで知られています。下手に動いて免疫力を落としてしまうと悪化の危険性がありますので、まずはしっかりと休むようにしましょう。
会社や仕事のことが気になる方もいるかもしれませんが、下手に出勤しても辛い上に周囲の人にうつしてしまう可能性がありますから、止めておいた方が無難です。
また、熱や下痢といった症状が出た場合には脱水症状を起こすことがありますので、水分補給もこまめに行うようにしましょう。
飲み物は塩分も合わせて補給できる「経口補水液OS-1」がおすすめです。他の病気になった際にも使えますので、まとめて購入しておくと便利ですね。
2.口内炎による痛みがひどい場合も食事を食べる
口内炎による痛みがひどい場合、何かを口の中に入れるだけでも激痛が走るので、どうしても食欲低下を起こしてしまいがちですよね。
ただ、痛みがひどいからといって食事を食べないでいると、栄養が足りずなかなか口内炎が治らないといったことにもなりかねません。
ですので、口内炎がひどい期間でも出来るだけ食事は食べるようにしましょう。
熱いものや塩味のあるもの、酸味のあるもの、香辛料の入ったものなどは痛みがひどくなりますので、冷ましたおかゆやうどん、たまご豆腐など、のど越しが良く柔らかい食べ物がおすすめです。
のど越しの良いものですら厳しい場合は、冷やしたプリンやコーヒーゼリー、アイスクリームなどが食べやすいことが多いです。
多少冷えているものの方が痛みを鈍感にしてくれますので、どうにも食べるのが辛い場合には試してみると良いでしょう。
3.イソジンでうがいをして喉を消毒する
イソジンには殺菌作用があるので、口の中や喉の口内炎に効果的です。
余計な菌が繁殖しないようにしてくれますので、雑菌が入って口内炎が悪化してしまうのを防ぐ働きがあると言えるでしょう。
ただ、イソジンはあくまで殺菌消毒用のうがい薬であって、ネット上でよく書かれているような口内炎の痛みを直接抑える効果はありません。
口内炎が悪化しなければ治りも早いので、結果的に痛みが少なく済むことはありますが、痛みを抑える保証があるわけではないことを覚えておいてくださいね。
また、口内炎にイソジンを使うのは、いわば傷口を消毒するようなものですから、人によっては強くしみる場合があります。
口の中は元々雑菌が繁殖しにくい場所ですから、ひどくしみるのであれば無理にイソジンを使う必要はないでしょう。
大人の手足口病で仕事は出勤停止になる?
手足口病はうつる病気ではあるものの、特に会社を出勤停止になるような病気ではありません。
そのため、一般的には症状がある程度落ち着けば仕事に出勤しても問題ないと言えるでしょう。
具体的には、熱が下がって1~2日経過しており、食事が食べられる状態であれば出勤しても大丈夫ですね。
大人の場合、水疱や口内炎が多少残っていても感染する可能性は低いですから、手洗いやうがい、マスクの着用といった感染予防対策をしておけば感染のリスクも高くありません。
ただ、子供と直接関わる保育士などの仕事の場合は注意が必要です。
子供は手足口病のウイルスに免疫を持っていないことが多いので、感染を広げないように水疱や口内炎が枯れて跡になる程度まで待ってから仕事を再開した方が良いでしょう。
手足口病の感染期間や感染経路、予防法については、以下の記事で詳しくお話していますので合わせて読んでおいてくださいね。
→『手足口病は大人にもうつる?お風呂は潜伏期間中からダメ?』
まとめ
手足口病は、子供がかかると軽症で済むことが多いのですが、大人がかかると重症化しやすい病気です。
感染率は低いとはいえ、大人から大人に感染することもありますから、軽い症状であっても無理に仕事に出勤しないよう注意してくださいね。
また、発熱や痛みなどの症状がひどい場合には、必要な薬を処方してもらうためにも一度病院を受診しておくことをおすすめします。
何科に行くか迷ったときは「内科」を受診すると良いでしょう。
なお、妊婦が手足口病に感染した場合については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてくださいね。