「熱中症が原因で起こった頭痛や吐き気を早く治したい!」
「翌日以降も頭痛や吐き気が続く時はどうすればいいの?」
熱中症では様々な症状が出るのですが、特に困るのが頭痛や吐き気に対する対処です。
頭痛や吐き気の症状は、熱中症が落ち着いてきてからも続くことが多く、治し方も分からないので対処に困ってしまう方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、熱中症の頭痛や吐き気の原因と治し方について詳しくまとめてみました。
頭痛薬や吐き気止めといった薬は使ってもいいのか、翌日以降も頭痛や嘔吐が続く場合はどうすればいいのか、頭痛や嘔吐はいつまで続くのかといった気になる疑問も含め、医学的な視点からお話していきたいと思います。
熱中症で頭痛や吐き気が出る原因
熱中症による頭痛と吐き気は、実はどちらも脱水症状が原因となって起こる症状です。
ただ、脱水症状が原因と言われてもよく分からないかと思いますので、順を追って説明しましょう。
まず、熱中症によって体が脱水症状を起こすと、血管内の水分も減ってしまうので血液がドロドロになり、血流が悪くなります。
そして脱水症状がひどくなってくると、ついには血流不足により脳への酸素や栄養までもが足りなくなってしまうんです。
脳は酸素や栄養がないとすぐに活動出来なくなってしまうため、「これはまずい!」と脳の血管を広げることで血液をより多く取り入れようとします。
この時、脳の血管が極端に広がってしまうことで周囲の神経を刺激してしまいます。その際に起こるのが、熱中症による頭痛ですね。
吐き気や嘔吐もこれと同じで、胃への血流不足によって胃の働きが乱れ、結果として吐き気や嘔吐といった症状が現れています。
つまり、熱中症による頭痛や嘔吐は、脳や臓器への血流が不足しているサインとして出ているわけですね。
ちなみに、熱中症による頭痛や嘔吐の場合、喉の渇きや尿量の減少といった水分不足を表す症状、めまいや立ちくらみ、体のだるさ、頻脈(脈拍が安静時に90回を超える)といった血流が不足することによる症状などが合わせて出るのが特徴です。
その他にも熱中症に関連した症状が出る可能性がありますので、自分の症状が熱中症のものかどうかよく分からないという場合には、以下の記事で熱中症の症状を確認しておきましょう。
熱中症の頭痛や吐き気の治し方
まず、熱中症になったばかりの緊急時の場合は応急処置が必要なので、以下の記事を参考に応急処置を行うようにしてください。
→『熱中症になったら病院はどうする?症状が軽い場合の対処方法は?』
熱中症の症状がある程度落ち着いた後も頭痛や吐き気が続く場合は、先ほどもお伝えしたように脱水症状が原因なので、水分補給を引き続き行うようにしましょう。
ただ、水分補給を行う際には、水分だけでなく塩分も合わせて摂る必要があります。
おすすめは熱中症対策飲料の「経口補水液OS-1」ですが、緊急時であれば自販機などで買える「ポカリスエット」や「アクエリアス」といったスポーツドリンクで問題ありません。
このような水分と塩分を含んだ飲み物をこまめに飲んで、徐々に脱水症状を回復させていきましょう。
もしも水分補給が出来ないほどの吐き気や嘔吐がある場合には、病院を受診して点滴を受けるようにしてください。
また、吐き気や嘔吐が落ち着いているのであれば、食べ物で水分や塩分を補うのも効果的です。
熱中症に良い食べ物については以下の記事で詳しくご紹介していますので、この記事と合わせて読んでおきましょう。
頭痛薬や吐き気止めは使っていいの?
頭痛や吐き気といった症状が辛い場合、頭痛薬や吐き気止めといった症状を抑える市販薬に手を伸ばしてしまいがちですが、基本的に薬は使わないようにしましょう。
根本的な原因である脱水症状は治らないですし、熱中症の症状が悪化した時に症状が抑えられてしまい、気付くのが遅れてしまう可能性もありますからね。
そもそも熱中症による頭痛は普通に頭が痛い時とメカニズムが異なりますので、ロキソニンやバファリンのような一般的な頭痛薬では効かないケースがほとんどです。
吐き気や嘔吐についても同様で、市販薬をむやみに使うのは止めておいた方が良いですね。
ただ、病院ではあまりに頭痛や吐き気の症状が強い場合、鎮痛剤や吐き気止めを使うこともあります。
とはいえ、これはあくまで症状を実際に見た医師の管理下だからこそなので、自己判断で薬を飲むのは止めておきましょう。
熱中症は悪化すると命に関わることもありますので、薬を服用したくなるほど症状がひどい場合には病院に行くことをおすすめします。
翌日も頭痛や吐き気が続く場合の対処法は?
実は熱中症では、翌日以降も体調不良が続くというケースがとても多いんです。熱中症による一時的な後遺症といった感じですね。
簡単に言えば、まだ脱水症状が残っていたり、脱水による筋肉や内臓へのダメージが回復していない状態と言えます。
つまり、熱中症の症状が多少落ち着いているとは言っても、まだ熱中症自体が治っているわけではないと考えておきましょう。
頭痛や吐き気が残っているまま無理をすると、熱中症が再発したり低血圧を引き起こすリスクもありますので、ゆっくりと休んでおくことが大切になります。
安静にしている間は、経口補水液OS-1などで水分と塩分をこまめに摂りつつ、可能であれば栄養も摂っておきましょう。
吐き気や嘔吐で水分すらまともに摂れない場合には、引き続き病院で点滴を行ってもらってください。
また、筋肉は特に脱水症状の影響を受けやすいので、運動や肉体労働はしばらく避けた方が良いでしょう。
体がだるいうちは筋肉のダメージが抜けきっていませんから、無理をしないようにしてくださいね。
熱中症の頭痛や吐き気が続く期間はいつまで?
熱中症の頭痛や吐き気が続く期間は個人差が大きいため、治療期間はいつまでと一概には言いにくいですね。
通常であれば数日で回復しますが、人によっては1週間以上続くこともあります。特に、熱中症による頭痛は長引くことが多く、一旦落ち着いたと思ってもぶり返すことが少なくありません。
また、体力が落ちている人、元々体力のない子供や高齢者は症状が長引きやすい傾向にあります。特に高齢者の方は持病と勘違いしてしまい、無理に動いていたら症状が悪化したというケースも少なくありません。
対処法を間違えると、室内にいても悪化することは十分にあり得ますので、注意しておきましょう。
長引く場合は別の原因による頭痛や吐き気の可能性も
もし、熱中症になってから1週間以上経っても頭痛や吐き気が残っている場合は、熱中症とは別の原因も疑うようにしましょう。
例えばですが、高血圧による頭痛や偏頭痛、ストレスによる頭痛などでは吐き気を伴うことがあります。
頭痛や吐き気が単体で残っている場合には、さらに色々な原因が考えられますので、あまりに長引く場合は再度病院を受診するようにしてください。
まとめ
熱中症による頭痛や嘔吐が続いている場合は、しっかりと治るまで安静にしておくことが重要になります。
仕事や学校は無理に出ないようにして、回復するまで水分や塩分を摂りながらゆっくりしておきましょう。
また、繰り返し熱中症にならないために、治ってからも水分補給をしっかりと行うようにしてくださいね。
熱中症対策におすすめの飲み物は以下の記事で詳しくご紹介していますので、この記事を参考に自分に合った飲み物をあらかじめ買い溜めておくと良いでしょう。