咳が長引いてなかなか治らない…そんな時に使いたくなるのが市販薬ですよね。
ただ、咳喘息が原因で咳が続いている時というのは、一般的な市販薬ではほとんど効果がありません。
実際、長引く咳で市販薬が効かなかった経験のある方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、咳喘息に効く治療薬の条件や種類について、出来るだけ分かりやすくまとめてみました。
市販薬が効かない原因や効果の期待出来る市販薬についてもお話していますので、「市販薬で咳を止めたい!」と考えている方もチェックしてみてくださいね。
咳喘息に効く治療薬の条件
結論から先にお話しておくと、咳喘息を良くしていくには気管支拡張薬+ステロイドの組み合わせがベストです。
咳喘息というのは、簡単に言えば気管支が炎症で狭くなる病気です。狭くなった気管支が原因となって、咳が出続けているという状態ですね。
つまり、咳喘息は気管支を広げたり炎症を抑えていくことで症状が治まっていきます。薬で言えば、気管支を広げる薬が「気管支拡張薬」、炎症を抑えていく薬には主にステロイドが当てはまりますね。
ただ、気管支が狭くなっているのは、あくまで気管支の炎症が原因です。結果として気管支が狭くなっているだけなので、気管支拡張薬だけでは一時しのぎにしかならない点に注意が必要と言えるでしょう。
咳喘息を根本から治していくには、気管支に起こっている炎症そのものを良くしていく必要があるというわけですね。
市販薬が効かない原因
咳喘息には、一般的な咳止めや風邪薬、抗生物質などがほとんど効きません。既に咳喘息を起こしたことのある方であれば、思い当たる節があるのではないでしょうか。
これは先ほどもお話した通り、咳喘息は喉ではなく、気管支が炎症で狭くなっていることが主な原因となっているためです。
一般的な咳止めなどには、気管支を広げたり炎症を抑えたりする成分は含まれていません。
そのため、咳喘息には喘息(ぜんそく)などでも使われる、気管支に効果的な薬を使う必要があります。
咳喘息は、いわゆる普通の咳とは違うので、「普通の咳用の薬」では治らないと考えておけば良いでしょう。
咳喘息に効く治療薬の種類
咳喘息でよく使われる薬の種類と言えば、最初にもお話した通り、大きく分けて以下の2つですね。
- 気管支拡張薬(気管支を広げる薬)
- 吸入ステロイド薬(気管支の炎症を抑える薬)
大まかに言えば、気管支拡張薬は咳を和らげる薬、吸入ステロイド薬は咳喘息の元となる炎症を抑える薬といった感じです。
気管支拡張薬は咳を止めるのに即効性があるものの、一時的に抑えているに過ぎません。一方、吸入ステロイドは咳喘息の治療に役立ちますが、効果を実感するのに時間がかかります。両方使えば良いとはいえ、少し不便ですよね。
そこで登場したのが、気管支拡張薬と吸入ステロイドを合わせた合剤です。これ1つで咳を抑えながら咳喘息の治療も出来る、とても便利な薬と言えるでしょう。
病院でよく処方されている合剤の吸入薬は、主に以下の4種類ですね。
- シムビコート
- アドエア
- レルベア
- フルティフォーム
どれも粉のような薬を吸い込むタイプの薬になります。直接薬を吸い込むことで、気管支の奥まで薬が入っていくのが特徴です。
特によく見かけるのは、「シムビコート」という薬ですね。主に呼吸器科などで処方してもらうことが出来ますよ。
実は僕自身も、この薬を使って咳喘息を治した経験があります。薬を使う前は夜の咳き込みがひどかったのですが、この薬を使い始めて本当に楽になりました。
実際、咳喘息は病院での治療で症状を軽く出来るケースが多いです。市販薬ではなかなか治らなかった咳が、この薬を使い始めて良くなったという人は少なくありません。
あまり見かけないタイプの薬なので、不安になってしまう方もいるかもしれませんが、使い方は病院や薬局でちゃんと教えてもらえます。
また、「ステロイドが含まれているので副作用がひどいんじゃないか…」と考えてしまう方が多いのですが、こちらもほとんど心配はありません。飲み薬と違って吸入薬を吸った範囲にだけ効果のある薬なので、体に副作用が出てくることは滅多にないと考えて良いでしょう。
咳喘息の吸入薬は、元々長期的に使うことを前提に作られています。副作用はほとんど出ないように調整されているので、安心して使うようにしましょう。
咳喘息に効く市販薬はないの?
結論から言うと、上でお伝えしたようなステロイドを含む吸入薬は、市販薬として売られていません。ただ、咳を一時的に止める気管支拡張薬の成分を含む市販薬は販売されています。
いわゆる「ぜんそくに効く!」とうたわれている咳止めが、咳喘息にも効果のある市販薬と考えて良いでしょう。中でも口コミで特に評判が良いのは以下の2つですね。
- アスクロン
- アストフィリンS
ただ、これらの市販薬で咳喘息そのものを治すことは難しいので、あくまで咳を一時的に抑えたい時に使うようにしましょう。
アスクロン
リポビタンDやパブロンなどでお馴染みの大手、ワシのマークの「大正製薬」が出している咳止め薬です。
咳喘息に効果的な気管支を広げる成分だけでなく、咳を起こす中枢に働きかけて咳を止める成分も含まれているのが特徴ですね。
咳喘息を悪化させるような成分も含まれていないので、安心して使うことが出来ますよ。
咳喘息を起こした方の実際の口コミでも、「アスクロンを飲んで咳がピタっと止まった」「4日ほど飲み続けたら咳が治まった」「即効性がある」といった意見が多く見られました。
もちろん効果には個人差があるので人にもよりますが、咳喘息による咳を止めるにはとても優秀な薬と考えて良いでしょう。
ただ、薬は顆粒タイプでかなり苦みが強いです。苦い薬が苦手な方は、次にご紹介するアストフィリンSの方を使うと良いでしょう。
値段はその時々にもよりますが1200円前後で、子供でも8歳から飲むことが出来ます。妊娠中や授乳中も飲んで問題ありませんが、気になることがあればかかりつけの産婦人科で確認をするようにしてください。
アストフィリンS
アストフィリンSは、チョコラBBなどで知られている「エーザイ」が販売している咳止め薬です。
先ほどご紹介したアスクロンと同じく、気管支を広げる成分や咳そのものを止める成分が含まれているのが特徴ですね。
アスクロンと同じで、咳喘息が原因で起こる咳の症状をしっかりと抑えることの出来る薬と言えるでしょう。
昔から口コミでも良い評価の多い薬で、「寝る前に服用するとぐっすり眠れた」「この薬が一番よく効いた」といった意見が多いですね。(もちろん個人差はあります)
錠剤タイプの飲み薬なので、アスクロンのような顆粒タイプの苦みがダメな方には特におすすめですよ。
ただ、値段は1500円前後と、アスクロンと比較すると少し高いのがデメリットです。服用も15歳からなので、小さい子供には使えない点にも注意が必要ですね。
また、妊娠中の服用は可能ですが、授乳中の服用は一応NGになっています。服用する場合は一度授乳を止めて、1日ほど空けてから授乳を再開すると良いでしょう。
時折紹介されている「エスエスブロン」について
咳喘息の咳を止める薬として「エスエスブロン」が紹介されていることもありますが、医学的にはおすすめ出来ません。
これは、エスエスブロンの成分の中にある「ジビドロコデイン」という成分が、咳喘息を悪化させてしまう可能性があるためですね。
実際、病院では喘息で発作を起こした時に使ってはいけないことになっている成分です。
エスエスブロン自体はとても強い咳止めなので、ブログなどで紹介されていることも多いのですが、咳喘息の疑いがある時には使わないようにしてくださいね。
詳しいことが知りたい場合は、こちらのサイトを参考にしてください。
まとめ
今回は、咳喘息に効く治療薬について色々とお話してきました。今回の記事のポイントを簡単にまとめておくと、以下の通りですね。
- 気管支を広げる薬+ステロイドが咳喘息に効く薬の条件
- 通常の市販薬は咳喘息に対応していない
- 咳喘息に効くのは気管支拡張薬+吸入ステロイド薬を合わせた吸入薬
- 吸入薬に市販薬はなく、病院でのみ処方されている
- 市販薬なら「アスクロン」や「アストフィリンS」で咳を抑えられる
- 市販薬は咳を止めるだけで、咳喘息を治す薬ではない
- 市販薬の「エスエスブロン」は咳喘息にはNG
つまり、一時的に咳を止めたい時には「アスクロン」や「アストフィリンS」といった市販薬を使い、治療をしたい時には病院を受診すると良いでしょう。
咳喘息は、一度治まったと思っていても、原因を解決しない限り何度もぶり返す病気です。市販薬を使って咳が止まった後もぶり返すという場合には、早めに病院に行くようにしてください。
また、病院を受診する際には何科を選ぶのかも大切になります。基本的には「呼吸器科」でOKですが、症状によって多少変わってきますので、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
→『咳喘息では何科の病院を受診する?耳鼻咽喉科?内科?呼吸器科?』
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