「大人なのにはやり目みたいな症状が出た!」
「仕事があるんだけど会社には行ってもいいの?」
あなたは今、こんな風にはやり目(流行性角結膜炎)のことで困っているのではないでしょうか?
はやり目というと子供のかかる病気というイメージかもしれませんが、実は大人でも普通に感染する病気なんです。
大人ではやり目に感染した場合、やはり気になるのが会社は出勤停止になるのかどうかですよね。
治療にかかる期間や早く治す方法などについても知りたい方は多いのではないでしょうか?
そこで今回は、そんな大人のはやり目の症状や治療期間、出社のための条件などについてお話していきたいと思います。
大人のはやり目(流行性角結膜炎)の症状は?
大人のはやり目の症状というのは、実は子供と大して差がありません。大人と子供どちらにも同じように症状が現れることが多いですね。
はやり目の主な初期症状は以下の5つです。
- ひどい目の充血(真っ赤になる)
- まぶたの腫れ
- 目やに
- 目のゴロゴロとした異物感
- 涙がたくさん出る
また、重症化した場合には以下のような症状がみられることもあります。
- 目が痛くて開けられない
- 耳の前にあるリンパ節の痛みと腫れ
- 光がまぶしいと感じる
- 目がしょぼしょぼする
- 発熱(炎症がひどい場合)
他の結膜炎とはやり目の違いは、「基本的にかゆみがない」「明らかに目の症状がひどい」という点ですね。
特に白目の部分は真っ赤になることも多く、見た目が痛々しいので分かりやすいかと思います。
また、症状が強い場合には、まぶたの裏に「偽膜(ぎまく)」という炎症による膜のようなものが現れることもあるので見ておきましょう。
症状は発症から1週間あたりをピークに徐々に落ち着いていきますが、良くなる頃になって角膜が濁る「点状表層角膜炎」という症状が起こった場合、視力低下などの後遺症が残る場合があります。
医師から処方された点眼薬をしっかりと使っておけばリスクを減らすことが出来ますので、完治するまでは目薬を続けるようにしましょう。
症状は基本的に片目だけに発症しますが、感染力が強いので数日中にもう片目にも感染し、両目の症状になることが少なくありません。
この片目から発症して数日中に両目に広がるという流れも、はやり目に特徴的な症状ですね。
なお、目の症状と合わせて高熱や喉の痛みがある場合には、プール熱(咽頭結膜熱)の可能性もありますので、一度病院で検査を行ってもらうようにしましょう。
大人のはやり目(流行性角結膜炎)の治療期間の目安は?
大人のはやり目は、通常であれば1~2週間ほどの治療期間で良くなることが多いです。
ただ、症状がひどい場合だと2週間以上治らないこともありますし、はやり目に続いて角膜炎を起こした場合には、完治までに数ヶ月以上かかるということもありますね。
はやり目の治療に特効薬はありませんので、治し方としては病院で処方された目薬をさして症状が治るまで待つのが基本になります。
目薬を差さずに自然治癒しようとするのは、角膜炎などの合併症のリスクが高くなりますのでおすすめ出来ません。
はやり目(流行性角結膜炎)だと会社は出勤停止?
結論から言えば、大人のはやり目に出勤停止となる法律はありません。しかし、基本的に会社に行くのは止めておいた方が良いでしょう。
はやり目の原因となるアデノウイルスは感染力が非常に高く、多くの人にうつる流行性の高さも持ち合わせているため、感染が拡大してしまうリスクがとても高いと言えます。
しかも消毒も普通のウイルスと比べて難しく、いわゆるアルコール消毒はあまり効果を期待出来ません。
実際、子供がはやり目にかかった場合では、学校保健法により「医師が感染力は無くなったと診断するまでは学校に登校出来ない」と決められているほどです。
大人の場合も法律こそありませんが、医師に出勤停止と言われることも少なくありません。
出勤停止の期間としては、医師の診断次第ですが症状のピークを過ぎた10日前後が多いと考えておきましょう。
とはいえ、「そんなに休めないよ!」という方も多いのではないかと思いますので、最終的には会社との話し合いで出勤の判断を行うのが一般的です。
感染経路として最も多いのが「目をこすった手からの感染」なので、かゆい場合でも目をこすらないという条件で仕事に出るというケースが多いですね。
中にはうつるリスクを考えずに出勤するように言ってくる会社もありますので、特に感染が問題になりやすい食品に関係する職業や、人と接するような仕事の場合には注意が必要です。
大人のはやり目(流行性角結膜炎)を早く治す方法はある?
子供でも大人でも、はやり目を早く治す方法というのは存在しません。これは、はやり目の原因となるアデノウイルスに特効薬が存在しないためですね。
はやり目の時に処方される目薬は、あくまで症状を和らげるためのものなので、目薬によって治療期間が短くなるということもありません。
ただ、はやり目の治療を長引かせないポイントはありますので、以下の4つのポイントを押さえておくようにしましょう。
- 必ず眼科医を受診する
- 目をこすったり触ったりしないようにする
- 処方された目薬は言われた通りに使う
- 眼帯は基本的につけないようにする
ここからは、この4つのポイントについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
1.必ず眼科医を受診する
はやり目は自然治癒する病気ではあるものの、放置していると症状が悪化し、最悪の場合視力低下や失明に繋がる恐れがあります。
症状が悪化した場合には治療期間も長引くことになりますので、市販薬などで治そうと考えず、まずは必ず眼科のある病院を受診するようにしましょう。
2.目をこすったり触ったりしないようにする
はやり目は目やにや涙が出ることも多く、ついつい目を触ってしまいがちですが、あまりこすったり触ったりしていると目に傷が入り、症状が悪化する可能性があります。
治療期間が長引く理由になりますので、むやみに目に触ることは避けておいた方が良いでしょう。
3.処方された目薬は言われた通りに使う
医師から処方される点眼薬は、主に抗菌作用のある目薬や抗炎症成分の含まれた目薬になります。一言で言ってしまえば、症状を悪化させないための目薬ですね。
これらの目薬は、使いすぎても使わなさすぎても良くありません。どちらも症状が悪化する可能性がありますので、必ず医師の指示に従って使うようにしてください。
4.眼帯は基本的につけないようにする
はやり目といえば眼帯をつけるというイメージの方も多いかと思いますが、現代においてそれは間違いです。
むやみに眼帯をつけてしまうと、眼帯の中で雑菌が繁殖してしまい、二次感染を引き起こす可能性もありますので、眼帯はつけないようにしましょう。
また、コンタクトも汚れによるアレルギーを引き起こす可能性があるので、完治するまでは使用しない方が無難です。
妊娠中や授乳中の目薬は大丈夫?
妊婦の場合や赤ちゃんの授乳中の場合、「目薬は赤ちゃんに影響が出る可能性があると言われて心配…」という方も多いのではないでしょうか?
答えだけ先に言っておくと、妊娠中や授乳中の目薬については、眼科で処方されたものであれば問題ないと考えておきましょう。
まず、目薬の中に妊婦が使ってはいけない薬があるのは事実です。
ただ、眼科の医師に妊娠中や授乳中であることを伝えているのであれば、当然ですがそういった使ってはいけない薬を避けて処方しています。
「お医者さんが目薬のリスクとして不安になることを言っていた…」という話を聞くこともあるのですが、これはあくまで医師には説明責任が存在するためです。
仮にほとんど起こらないような副作用やリスクであったとしても、医者には説明の義務がありますので説明をしておかなければなりません。
つまり、リスクは全くのゼロではないというだけで、普通に目薬を使う分には問題ないと考えておいて大丈夫です。
そもそも、目薬は体の外で使うタイプの外用薬ですので、内服薬のように全身に影響を及ぼすということはほとんどありません。
よほど長期間使ったり大量に使った場合には全身に影響が出る可能性もありますが、はやり目の症状が出ている1~2週間ほどの期間ではまず影響は無いと考えておいて良いでしょう。
ただ、それでも赤ちゃんのことですし、気になる方も多いのではないかと思います。そんな時は、目薬をさす時に目頭をしっかりと押さえておきましょう。
目頭にある穴を通じて体内に目薬が入るのを抑えることが出来ますので、赤ちゃんへの影響も極限まで抑えることが可能ですよ。
なお、市販薬の目薬だとここに書いたことが当てはまらない場合もありますので、必ず眼科を受診するようにしてくださいね。
まとめ
大人のはやり目は仕事への影響が大きいので、「いつ治るのか…」と焦る気持ちも分かりますが、重症化のリスクもありますので、まずはしっかりと完治を目指しましょう。
職場だけでなく家族内でも感染する可能性がありますので、下手に動かずしっかりと休んで免疫力を高め、経過を見守るようにしてください。
はやり目のようなアデノウイルスが原因となる症状の治療方法や予防法については、以下の記事で詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
→『アデノウイルスの大人の症状!感染したら仕事は出勤停止?』
仕事に復帰した際には、職場の人に一言お詫びを伝えたり、菓子折りをお詫びの品として持っていくようにすると良いですね。
休むのに抵抗がある人もいると思いますが、こうして申し訳ない気持ちを形にして伝えると分かってくれる方がほとんどですから、安心して休むようにしましょう。