はやり目に感染した子供

 

「子供の目が真っ赤に充血して大変…!」
「最初は片目だけだったのに両目に症状が広がった!」

 

あなたのお子さんにこんな症状が出たら、もしかしたらそれは「はやり目(流行性角結膜炎)」かもしれません。

はやり目は子供の頃にかかりやすい病気の1つですが、対処法を間違えると視力低下や失明といった怖い後遺症を引き起こす厄介な病気です。

 

そこで今回は、子供のはやり目(流行性角結膜炎)の原因や症状、治療方法などをまとめてご紹介したいと思います。

保育園や学校はいつからいつまで出席停止になるのか?家族内で感染を広げないための予防法なども含めて、詳しく見ていきましょう。


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はやり目(流行性角結膜炎)とは?

病気の疑問イメージ画像

 

はやり目とは、正式名称で「流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)」という名前の病気で、結膜と言う白目の表面にある粘膜が炎症を起こす「結膜炎」の1種です。

感染力がとても強く、学校や家庭、病院などで流行して集団感染を引き起こすという、結膜炎の中でも厄介な特徴を持った病気の1つですね。

 

はやり目は免疫力の弱い1歳~5歳あたりの乳児や幼児に多く発症しますが、特に発症する年齢が決まっているわけではありません。

小学生や中学生、大人などでも普通に感染しますので、家族内や学校、会社での感染にも注意をする必要があります。

 

このように誰でもうつる可能性がありますので、あらかじめはやり目の原因や症状、対策などを知っておくことが感染の拡大を防ぐポイントになりますね。


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はやり目(流行性角結膜炎)の原因

はやり目の原因となるのは、ウイルスの中でもインフルエンザに次ぐほど感染力の強い「アデノウイルス」というウイルスです。

アデノウイルスはいわゆる風邪ウイルスの1つなのですが、なんと同じアデノウイルスでも50種類以上もの型があります。

 

それぞれの型で現れる症状が異なり、咳や鼻水などの風邪症状、胃腸炎、結膜炎、膀胱炎などの様々な症状を引き起こすことで有名なウイルスですね。

『アデノウイルスの幼児・子供の症状!保育園の登園はいつから?』

 

そんなアデノウイルス感染症の中でも代表的なものが、春から夏の季節にかけて流行しやすい「はやり目」「プール熱(咽頭結膜熱)」です。

アデノウイルスは水中に存在していることが多く、目から目に直接感染しやすいことからもプールでの感染が多いと考えられています。

 

はやり目(流行性角結膜炎)の症状

はやり目の症状で充血する目

 

子供がはやり目にかかると、主に以下のような症状や様子が現れます。

  • 白目が真っ赤に充血する
  • 目やにや涙が大量に出る
  • まぶたに腫れが出る
  • 耳の前にあるリンパ節に痛みや腫れが出る
  • 目にゴロゴロした異物感があると言う
  • 目が痛いと言う(目をかゆそうにこする仕草をする)
  • いつもより光がまぶしいと言う
  • 軽い発熱が出る

 

自分で症状を言うことの出来るくらい大きい子なら症状を説明してもらうだけなのですが、まだ喋れない赤ちゃんの場合はあなたがよく見てあげる必要があります。

 

見た目で特に特徴的な初期症状は、目が真っ赤になるほどひどい充血とゼリー状の白っぽいサラサラした目やになので、この2つの特徴があるのであればはやり目を疑っても良いでしょう。

他の結膜炎で見られるようなかゆみがないことが多いのも特徴ですね。

 

はやり目はアデノウイルスに感染後、5~14日ほどの潜伏期間の後に発症し、症状は1週間あたりをピークに徐々に落ち着いていきます。

ただ、症状がひどい場合などには重症化して「点状表層角膜炎(てんじょうひょうそうかくまくえん)」という合併症を引き起こし、治療期間が数ヶ月以上かかることもありますね。

 

点状表層角膜炎を引き起こすと角膜の濁りが現れ、最悪の場合視力低下や失明などの後遺症が残る場合もありますので、症状がひどくなる前にしっかりと治療を行うようにしましょう。

また、子供の場合は目の裏側に「偽膜(ぎまく)」という炎症による膜が出来やすいため、そちらも合わせてチェックしておくと良いですね。

 

はやり目は、最初は片目だけに発症しますが、数日後にもう片方の目にも感染して両目が感染することが多いです。

上記の症状に加えて片目から両目に広がるような結膜炎の場合は、はやり目を疑って眼科の病院を受診するようにしましょう。

 

なお、はやり目とよく似た症状の病気としてプール熱があるのですが、はやり目との違いは目の症状に合わせて高熱と喉の痛みが出てくることです。

また、プール熱の場合は咳や鼻水、下痢、吐き気などの風邪のような症状が現れることも多いので、このような症状がある場合にはプール熱を疑ってください。


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はやり目(流行性角結膜炎)の治療方法

はやり目の治療に使う目薬のイメージ

 

はやり目の治療法は、医師に処方された点眼薬で症状を抑えながら治るまで待つのが一般的です。

原因となるアデノウイルスにはいわゆる特効薬が存在しないので、直接的な治し方は存在せず、あくまで自然治癒を待つ形となりますね。

 

病院で処方される目薬の種類には、菌の繁殖を防ぐ抗菌目薬や、炎症を抑える目薬などがあります。炎症がひどい場合にはステロイド点眼薬を処方されることもありますね。

ステロイド点眼薬は炎症を抑える効果が強い分、副作用も強いお薬なので、処方された場合には必ず医師の指示に従うようにしてください。

また、炎症がひどくなると角膜炎を併発して後遺症が残る可能性もありますので、必ず眼科の病院を受診して正しい治療を受けることが大切です。

 

なお、はやり目の治療期間は大体1~2週間ほどかかることが多く、症状が重い場合や重症化したケースでは完治まで数ヶ月以上かかるということもあります。

中途半端に治療を止めてしまうと、症状が悪化したり全然治らないという状況になってしまうこともありますので、完治するまでは病院の再診を続けるようにしましょう。

 

子供がはやり目(流行性角結膜炎)だと保育園はや学校は出席停止?

子供と保育園

 

はやり目に感染した際の子供の保育園や幼稚園、学校については、流行を防ぐために基本的に出席停止となります。

登園や登校を再開するタイミングについては、受診した病院の医師の指示に従うようにしましょう。

 

これは子供の場合だと、学校保健法により「医師が感染のおそれがないと判断するまで登園や登校は禁止」と決められているためですね。

子供はウイルスに対する抵抗力がまだ弱く流行しやすいため、大人に比べて厳しい対策がとられています。

 

「じゃあ結局いつまで休むのか?」という点については、発症からおおよそ10日前後が出席停止期間と考えておきましょう。

もちろん、症状がひどい場合には休む期間が長引く可能性もありますので、いつ治るのかは治療経過や子供の免疫力によるところも大きいですね。

 

また、最終的に出席しても良いかの判断は、医師の診断によって決まります。

医師から登園や登校の許可が出た場合でも、保育園や学校によっては登園許可証治癒証明を求められることがありますので、あらかじめ必要かどうか問い合わせておきましょう。

 

なお、はやり目の感染期間や完治までの期間については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、こちらも合わせて読んで頂ければと思います。

『はやり目は眼帯をしないとうつる?完治までの期間は?』


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はやり目(流行性角結膜炎)をうつさないための予防法

はやり目は外出時に他の子供にうつるだけではなく、家庭内の親や兄弟にも感染する可能性がありますので、自宅での過ごし方や対処法がとても大切になってきます。

感染経路になる原因を出来るだけ減らすことで、はやり目がうつらないように対策をしていきましょう。

 

具体的には、以下の8つの注意点をチェックしておくと良いですね。

  1. 完治するまで子供は外出禁止にする
  2. 子供の目を極力触らない、使い捨ての清潔なティッシュなどを利用する
  3. 子供の目を触った後は必ず石鹸で手洗いをする
  4. 子供の触ったところは出来るだけ消毒する
  5. ハンドタオルやバスタオルは子供と別々にする
  6. おもちゃなどの道具は兄弟間で共有しないようにする
  7. お風呂は一緒に入らないようにし、シャワーで済ませる
  8. 保育園や学校のプールには医師の許可が出るまで入らない

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

1.完治するまで子供は外出禁止にする

他の子供にうつさないように、完治するまで子供は外出させないようにしましょう。

症状が軽い場合には好きにさせてあげたいと思うかもしれませんが、はやり目を早く治すためにも、余計な外出は控えておくのが無難です。

 

2.子供の目を極力触らない、使い捨ての清潔なティッシュなどを利用する

目やになどを綺麗にしてあげる際に、子供の目を直接触るのは避けましょう。あなたにアデノウイルスが感染してしまう可能性があります。

目を拭く際には使い捨ての清潔なティッシュなどを使うようにし、拭き終わったらすぐにゴミ箱に捨てるようにしてください。

 

3.子供の目を触った後は必ず石鹸で手洗いをする

子供の目を拭いた後には、あなたの手にアデノウイルスが付着している可能性がありますので、必ず手洗いをするようにしましょう。

石鹸でしっかりと爪の中まで洗った後、30秒ほどしっかりと水で洗い流すと良いですね。

 

4.子供の触ったところは出来るだけ消毒する

ドアノブなどの家の導線で触る部分、食事に使う椅子とテーブルなど、子供が触る部分にはアデノウイルスが付着している可能性があります。

アデノウイルスはエタノールなどのアルコール消毒では十分に除菌出来ません。

そのため、アデノウイルスにも効果のある「次亜塩素酸ナトリウム(じあえんそさんなとりうむ)」という成分の含まれた消毒液で殺菌するようにしましょう。

 

5.ハンドタオルやバスタオルは子供と別々にする

子供が洗顔後に使ったハンドタオルや入浴後のバスタオルには、顔を拭いた時にアデノウイルスが付着しています。

このタオルで他の家族が顔を拭いてしまうと、はやり目に感染する可能性がありますので、基本的には子供と別々のタオルを利用するようにしましょう。

洗濯する際には一緒でも問題ありませんが、十分にすすぐことが大切です。

 

6.おもちゃなどの道具は兄弟間で共有しないようにする

おもちゃは子供が手でベタベタと触っていますので、やはりアデノウイルスが付着している可能性が高いです。

親が直接触らないのはもちろんですが、知らない間に兄弟間でおもちゃをやり取りして感染したということが無いようにしましょう。

 

7.お風呂は一緒に入らないようにし、シャワーで済ませる

お風呂のお湯を経由してはやり目がうつるということもありますので、子供と一緒にお風呂に入るのは止めましょう。

子供はシャワーで済ませるか、一番最後にお風呂に入れてあげると良いですね。

また、治りかけだとしても温泉や銭湯などには絶対に連れて行かないようにしてください。他の利用者の方に大量感染するおそれがあります。

 

8.保育園や学校のプールには医師の許可が出るまで入らない

プールもお風呂と同様、水を経由してはやり目がうつる危険性が高く、大流行してしまうリスクもあります。

そのため、プールはいつから入っていいのか、医師と相談した上で決めるようにしましょう。

また、保育園や学校に限らず、スイミングスクールやレジャー施設も避けるようにしてくださいね。

 

まとめ

子供のはやり目は、重症化すると後遺症が残る可能性もありますし、流行しやすいという点からも知っておくことが大切な病気です。

原因となるアデノウイルスは感染率がとても高いので、特に流行時期となる春から夏にかけては注意をするようにしましょう。

 

病院に行かないのは危険なので、はやり目かどうかを検査するためにも必ず病院を受診するようにしてくださいね。何科か迷った場合には眼科がおすすめです。

『アデノウイルスの検査方法や費用は?検査キットは保険適応?』

 

既に感染している場合にはすぐ治るような方法はありませんので、今回お伝えした予防法を実践しつつ、ゆっくりと休ませてあげることが大切です。

通常であればはやり目がぶり返したりすることはありませんが、アデノウイルスの別の型や他のウイルスに感染することで結膜炎が再発する可能性はありますので注意しておきましょう。

 

また、子供から親にはやり目が感染することもよくありますので、以下の記事も合わせて読んでおくことをおすすめします。

『大人のはやり目(流行性角結膜炎)の症状は?会社は出勤停止?』