アデノウイルス感染症は、咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎(はやり目)など、特に乳児や幼児などの子供に起こりやすい感染症です。
そのため、子供を持つお父さんお母さんは遭遇しやすい病気なのですが、肝心のアデノウイルスに感染したのかを判断する方法に迷うこともあるのではないでしょうか?
また、病院に行く場合どんな検査を受けるのか、どのくらい費用がかかるのかといった点も気になる部分だと思います。
そこで今回は、アデノウイルスの検査方法や費用についてまとめてみました。
- アデノウイルスを判断する材料になる初期症状は何か?
- 検査によく使われる迅速検査キットとは?
- 検査費用の詳細や保険適応はあるのか?
- 検査を受けるタイミングはいつがいいのか?
- 病院の何科を受診すれば良いのか?
このようなアデノウイルス検査の気になる部分を詳しくご紹介します。
アデノウイルスの初期症状と潜伏期間は?
アデノウイルス感染症は、高熱、咽頭炎(いんとうえん)、結膜炎(けつまくえん)の3つを主症状とした病気ですが、初期症状では熱や喉の痛みなど、風邪と似たようなものが多く現れます。
そのため、初期症状の段階ではアデノウイルスかどうかは判断しにくいと言えますね。
ただ、アデノウイルスの場合は風邪と違い、発熱が38℃以上の高熱になることが多いです。
また、プール熱やはやり目の場合には白目やまぶたの裏が真っ赤になる結膜炎が現れるので、こういった特徴が出てきた場合はアデノウイルスが疑われますね。
なお、アデノウイルスの潜伏期間は型によって若干異なりますが、およそ5~7日ほどです。
そのため、発症する5~7日前あたりに感染の原因が思い当たる場合には、アデノウイルスの可能性が高くなります。
アデノウイルスの検査方法や検査時間は?
アデノウイルスの検査は、元々は医師がウイルスの流行状況や症状・病歴などを参考に判断していました。
しかし現在は、「アデノウイルス迅速検査キット」などの素早く検査できるキットを使った検査が主流になっています。
検査方法はとても簡単で、綿棒で喉や目の粘膜を軽くこすり、採取した細胞を元に検査をするという流れになります。
乳幼児や子供にも負担が少ない検査方法なので親としても安心ですし、実際に多くの病院で使われていますね。
また、検査キットを使っての検査は信頼性も高く、ウイルスが検出される陽性の場合、ほぼ100%の的中率があります。
検査時間も非常に短く、およそ15分で結果が出るので、病院で診断を長時間待つといったこともありません。
ただ、検査方法には例外があり、例えば同じアデノウイルスでも下痢や嘔吐など胃腸炎の症状がひどいケースでは、下痢便を採取して検査をする場合もあります。
また、アデノウイルスの検査方法には鼻から粘膜を採取するものや血液検査などもあり、必ずしも迅速検査キットを使う病院ばかりではありません。
アデノウイルスの検査費用と保険適応について
アデノウイルスの検査は元々保険適応外でしたが、現在では保険適応となっており、他の医療と同じで一部負担という形になります。
気になる検査費用については、保険点数で以下のようになっています。
- 便から検査を行った場合:60点(600円)
- 喉や目、鼻からの検査の場合:200点(2000円)
加えて、検査の判断料として144点(1440円)が費用としてかかります。
実際にはこの金額の一部負担という形になるので、一般的な3割負担の方であれば、便の検査が600円程度、その他の検査なら1000円程度ということになりますね。
このように検査自体はさほど高い値段ではありませんが、診察料やその他の検査費用、薬の値段などを考えると、実際には3000~5000円程度はかかると考えておきましょう。
また、自治体によっては乳幼児のアデノウイルスの検査・治療費や薬の費用に助成金が出るところもあります。
具体的な助成制度を受けるための条件、負担してもらえる費用、申請の方法などについては、各自治体によって異なるので問い合わせるようにしましょう。
アデノウイルスの検査のタイミングはいつから?
アデノウイルスの検査は、受けるタイミングも重要になります。
具体的には、アデノウイルスの症状が出てから最低1日経った後、出来れば3日経った頃に受けるのが良いとされています。
これは検査キットが、体の採取した部分のウイルス量を元に判定を出しているためですね。
潜伏期間から発症1日目あたりというのは、まだウイルスがさほど増殖していないことも多く、アデノウイルスだったとしても検査キットが見落としてしまう可能性があるというわけです。
逆にあまりにも日数が経ちすぎてしまうと、次はピークを過ぎたアデノウイルスが体から減少していってしまうので、それはそれで正確な検査が行えず、陰性になってしまうことがあります。
そのため、症状がピークを迎える前後で受けると最も正確に検査が出来ると言えますね。
ただ、実際には検査のためだけに病院への受診を遅らせることは好ましくありません。
特に子供の場合は重症化のリスクも高いので、検査のタイミングを気にするよりは、初期症状を確認した段階で病院を受診するのが良いでしょう。
アデノウイルスの検査は何科を受診すれば良い?
まず乳幼児や子供の場合は、基本的に「小児科」を受診するようにしましょう。
小児科の医師は子供の病気のスペシャリストですから、子供の病気や症状にも詳しいですし、アデノウイルスの検査キットも基本的に置いてあります。
大抵の場合、かかりつけの小児科医師がいるかと思いますので、まずはそちらで相談してみるのが良いですね。
そして大人の場合ですが、こちらは症状に合わせて「眼科」や「耳鼻科」を受診するよりも、「内科」を受診するのが良いかと思います。
大人のアデノウイルスのような症状は、必ずしもアデノウイルスによるものとは限りません。場合によっては他の病魔が潜んでいる可能性もありますので、決めつけは危険です。
また、アデノウイルスの検査自体も内科で出来ますので、症状を詳しく見てもらう意味も含めて、基本的には内科を受診するようにしましょう。
市販のアデノウイルス検査キットはある?
アデノウイルス迅速検査キットは、基本的に医療用に販売されているものばかりで、一般人向けの市販の検査キットはありません。
そもそも病院の検査キットは保険適応なので、仮に市販のものがあったとしても、病院を受診する方が安上がりになる可能性は高いと言えます。
病院であれば症状も含めて医師に診てもらえますし、他の病気だった場合にも無駄がありません。
こういった点からも、検査をしたい場合には病院を受診する方向で考えるようにしましょう。
まとめ
以上、アデノウイルスの検査についてご紹介しました。
病院を受診すれば必要に応じて検査を行ってもらうことが出来ますので、アデノウイルスに似た初期症状を確認したら、まずは診察を受けてみるのが良いでしょう。
その際、検査のタイミングを気にしすぎて何日も受診を遅らせてしまうと、症状の重症化に繋がってしまいますので注意が必要です。
また、アデノウイルスの症状や対処法について詳しく知りたい場合は、以下の2つの記事を参考にしてみてください。
『アデノウイルスの幼児・子供の症状!保育園の登園はいつから?』
『アデノウイルスの大人の症状!感染したら仕事は出勤停止?』
検査で原因を特定したら、あとはしっかりと治るように対処していってくださいね。