体に起こる色々な痛みの中でも、右の脇腹の痛みはよくある痛みの1つです。
例えば、食べすぎや飲みすぎで脇腹が痛くなった、食後に歩いたり走ると脇腹が痛くなったといった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
ただ、数時間経っても治らない脇腹の痛みには、病気が隠れていることもあるので注意が必要なんです。
そこで今回は、右の脇腹が痛い時に主に考えられる6つの原因についてまとめてみました。
右の脇腹がズキズキ・チクチク痛い、右の脇腹を押すと痛いといった場合には、以下でご紹介する6つの病気をチェックしてみると良いでしょう。
1.筋肉痛・筋疲労
筋肉痛や筋疲労は、右脇腹の痛みの中でもよくある原因の1つですね。普段はあまり使わない脇腹の筋肉を急に使うことで起こることが多いです。
例えば、腹筋周りの筋トレや腰をひねるような動き、ヨガなどの運動で起こりやすいと言えるでしょう。
運動不足の人であれば、ちょっとした運動や動きなどで、筋肉痛や筋疲労を起こしてしまうこともありますね。
主な症状は、お腹や腰を動かした時、お腹を押した時などのズキズキとした痛みです。息を強く吐く、息を大きく吸うなどの呼吸動作によって痛くなることもありますね。
一方で、脇腹を動かしていない時や触っていない時には、さほど痛くなることはありません。
筋肉痛や筋疲労による右脇腹の痛みは、横腹の筋肉を無理に動かさなければ数日~1週間ほどでよくなります。
1週間以上続く場合は別の原因の可能性が高いので、一度病院を受診するようにしましょう。
2.便秘によるガス
便秘によってガスが溜まることで、右脇腹に痛みが出ることも多いですね。
便秘になると、大腸の中で便が腐ってしまい、腐った便からガスが出てきます。ガスが右脇腹に充満すると、大腸を圧迫して痛みを出すようになるという流れですね。
元々便秘気味でお腹が張ることが多く、左下腹部の痛みなどを何度も経験している場合には、ガスによる腹痛の可能性は高いと言えるでしょう。
主な症状は、急に起こる腹痛とおならの臭いです。便が溜まっている感覚はあっても、引っかかってなかなか出ないことが多いのも特徴ですね。
便秘による腸内のガスが原因なので、おならをすることで痛みが和らぐことが多いです。
ただ、根本的な原因は便秘なので、繰り返さないためには腸内環境を良くしていく必要があると考えておきましょう。
3.胆石症(たんせきしょう)
右脇腹の激しい痛みと聞いて、真っ先に思い浮かぶのが「胆石症」ですね。胆汁(たんじゅう)という消化を助ける体液の通り道のどこかに、胆石という石が出来る病気です。
消化器に関係する病気なので、かたよった食生活や食べすぎ、ストレスなどが原因で起こりやすくなると考えられています。
症状としては、発作のように突然起こる右脇腹からみぞおちにかけての痛みが特徴的です。痛みはお腹だけに留まらず、背中や肩の方まで広がることもありますね。
痛みに加えて、お腹が張る、吐き気や嘔吐がある、目や皮膚などが黄色っぽく変色するといった症状が出る場合には、胆石症の可能性が高いと考えておきましょう。
胆石症は、症状の程度や胆石の状態によって対処法や治療法が変わってきます。疑わしい症状が現れた場合には、一度「内科」を受診するようにしてくださいね。
4.右尿管結石
尿管結石は、腎臓から膀胱につながる尿管という管に、腎臓で出来た石が詰まる病気です。
数ある病気の中でも特に激しい痛みで知られており、いい大人でも泣いてしまうほど痛いことで有名ですね。
暴飲暴食や水分不足、ストレスなどが原因で発症すると考えられています。
主な症状は、背中から脇腹にかけての激しい痛みや頻尿、血尿などです。石が移動すると痛む場所も変わる傾向にあり、腰や下腹部が痛むこともありますね。
その他、人によっては尿をする際の痛みや吐き気・嘔吐などの症状が出る場合もあります。
石が小さければ、おしっこで自然に出てくる場合もありますが、石が大きい場合には手術が必要です。
検査が必要になりますので、まずは泌尿器科がある病院を受診するようにしましょう。
5.急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん)
虫垂炎は、大腸の右下にある虫垂という部分に炎症が起こる病気ですね。一般的には「盲腸(もうちょう)」と呼ばれている病気です。
原因ははっきりしていませんが、暴飲暴食や便秘、ストレスなどがきっかけとなって発症することが多い印象ですね。
初期症状はみぞおちあたりの痛みから始まり、徐々におへそ周りや右脇腹の方へ痛みが移動していきます。合わせて発熱や食欲不振、吐き気、嘔吐などを起こすことも多いですね。
お腹を押さえると痛みが強くなりますが、押すのをやめても痛いままなのも特徴と言えるでしょう。
腹痛は12~24時間ほどで右下腹部まで移動するので、みぞおちあたりの痛みが徐々に右下腹部に向けて移動している場合は、盲腸を疑うようにしてください。
放置してしまうと命に関わることもありますので、盲腸に似た症状がある場合にはすぐに病院を受診するようにしましょう。
6.急性腹膜炎
急性腹膜炎は、お腹の中を覆う腹膜に炎症が起こる病気です。簡単に言えば、お腹の裏側で腫れや痛みが起こっているイメージですね。
内臓の病気がきっかけとなって起こることが多く、今回お話した中では胆石症や盲腸などが原因になることもあります。
症状は急な激しい腹痛から始まり、痛みが持続したまま徐々にお腹全体に広がっていきます。その他には、発熱や頻脈、吐き気・嘔吐、お腹の腫れなどの症状が現れることもありますね。
お腹を押すと痛い、お腹が硬くなる、押さえていた手を急に放すと周りに痛みが広がるといった場合には、急性腹膜炎の可能性が高いと言えるでしょう。
症状が悪化すると、脱水を起こしたりショック状態になることもありますので、急性腹膜炎が疑われる場合にはすぐに病院を受診するようにしてください。
まとめ
今回は、右の脇腹が痛い時に主に考えられる6つの病気についてご紹介しました。
大抵は筋肉痛や筋疲労、便秘によるガスが原因の腹痛かと思います。ただ、症状がひどい場合や他の症状が見られる場合などには、その他の病気も疑ってみるようにしてください。
今回お伝えした病気以外にも、胃や肝臓、大腸の病気なども考えられますので、自己判断せずに病院を受診するようにしてくださいね。
何科に行くべきか迷った場合には、ひとまず「内科」を受診するのが良いでしょう。
また、お腹が痛い時の一般的な対処法については、『お腹が痛い時に役立つ対処法5つ!食事や寝方はどうする?』で詳しく説明していますので、合わせて読んでおくことをおすすめします。