驚く赤ちゃん

 

夏の時期になると増えてくる「とびひ」。子供を持つ親としては、心配になることの多い病気の1つですよね。

「他の子がとびひに感染してて、うちの子供にもうつらないか心配…」なんてことも多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、とびひの感染と予防に関するお話を分かりやすくまとめてみました。

とびひは赤ちゃんや大人にもうつるのか、うつる期間や感染経路はどうなのか、お風呂やプールにはいつから入ってもいいのかなど、気になる部分を詳しく見ていきましょう。


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とびひは赤ちゃんや大人にうつる?

寝ている赤ちゃん

 

結論から言うと、とびひは赤ちゃんや大人に限らず、誰にでもうつる可能性のある病気です。

とびひによる水疱(水ぶくれ)やかさぶたの中には大量の原因菌がいますので、患部を触ったりすることで菌がうつると考えておきましょう。

 

ただ、よく勘違いされがちなのですが、とびひの原因菌が手に付着したくらいでは感染することはありません。とびひに感染するのは、基本的に原因菌が傷口に入った時だけです。

ウイルスのように咳やくしゃみで感染することもありませんので、他の人にうつる可能性はそれほど高くはないと考えて良いでしょう。

 

もちろん、他の子にうつさないよう予防対策を行う必要はありますが、感染を過度に心配する必要はありません。

正しい予防対策を行うことで、十分に感染を予防することが可能ですよ。

 

とびひはうつりにくいのに流行する理由

とびひは、夏場に子供に発症しやすい病気ではあるものの、人から人にうつることで流行する病気ではありません。

これは、とびひの原因菌が「黄色ブドウ球菌」や「溶連菌」といった、健康な人が元々持っている常在菌と呼ばれるものだからです。

 

つまり、大抵は他の人からうつされて発症しているわけではなく、自分の元々持っている原因菌が傷口に入ることで発症しているわけですね。

 

とびひの感染の原因や原因菌については、以下の記事で詳しくお話していますので、合わせて読んで頂ければと思います。

『とびひに感染する原因は?大人と子供で原因が違う?』


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とびひがうつる期間はいつまで?

電球の絵

 

とびひがうつる期間は、発症から完治するまでの間と考えておきましょう。具体的には、水疱が乾いて肌がある程度綺麗になるまでの期間ですね。

水疱の中の汁(浸出液)に原因菌が大量に含まれていますので、最低でも水疱が枯れるまでは感染すると考えておいてください。かさぶたになっているのであれば、かさぶたが取れて綺麗になるまでですね。

 

とびひの治療期間は人にもよりますが、適切な治療を受ければ1週間以内で完治するのが一般的です。

そのため、とびひがうつる期間も1週間ほどを目安に考えておくと良いでしょう。

 

とびひは潜伏期間中も感染する?

とびひが潜伏期間中に感染する可能性は低いと言えるでしょう。これは、潜伏期間中には症状が現れないためですね。

先ほどもお伝えした通り、症状が現れていなければ感染を気にしなくて問題ありませんので、潜伏期間中も感染はしないと考えて大丈夫です。

 

なお、とびひの潜伏期間はおよそ2~3日と考えておきましょう。

 

とびひの感染経路は?

とびひの感染経路は「接触感染」のみとなっています。咳やくしゃみによる感染、便による感染などはありません。

 

ただ、一口に接触感染と言っても、色々な経路で感染します。具体的には、以下のようなパターンで感染すると考えておきましょう。

  • 患部に触れた手を経由して感染
  • ドアノブなどに付着した菌を触った手から感染
  • 傷口と患部が直接触れることで感染
  • 患部を拭いたタオルを共有することで感染

 

咳やくしゃみで感染しないため、単純に接触しないだけでも感染する可能性は大幅に下がります

また、触ったからと言って感染するわけではなく、傷口に菌が入らない限りは感染することはありません。


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とびひに感染しないための予防法は?

手洗いをする子供の手

 

とびひは感染予防をしておけば、感染する可能性をぐっと減らすことの出来る病気です。具体的には、以下の5つの予防対策を行うようにしましょう。

  1. こまめな手洗いを心掛ける
  2. 爪は出来るだけ短く切っておく
  3. 鼻をいじらないよう注意する
  4. 虫刺されなどの傷はガーゼで保護する
  5. シャワーや入浴でいつも皮膚を清潔に

 

1.こまめな手洗いを心掛ける

とびひは大抵の場合、原因菌に触った手で虫刺されなどを引っ掻くことで感染します。つまり、こまめな手洗いで菌を洗い流せば、感染の大半は防ぐことが出来るというわけですね。

手洗いの方法は通常通り、石鹸をつけてしっかりと洗い流せば良いでしょう。菌が残りやすい爪の間をよく洗っておくと良いですね。

 

2.爪は出来るだけ短く切っておく

子供はかゆいところを無意識に引っ掻いてしまいますので、爪は出来るだけ短く切っておきましょう。

爪を切っておけば、うっかり掻いてしまっても傷になりにくいので、感染リスクを減らすことが出来ますよ。

 

3.鼻をいじらないよう注意する

鼻の中には、とびひの原因となる菌がたくさん存在していますから、出来るだけ鼻をいじらないように注意をしましょう。

もし触る場合はティッシュを使い、触った後は手洗いを行っておくと良いですね。

 

4.虫刺されなどの傷はガーゼで保護する

虫刺されやあせも、湿疹などはかゆみがあるため、どうしても引っ掻いてしまいがちです。

うっかり引っ掻いてしまうととびひになる可能性がありますから、傷口をガーゼなどで保護しておくと良いでしょう。

 

5.シャワーや入浴でいつも皮膚を清潔に

とびひの原因菌は人の皮膚に存在する常在菌なので、放置しておくと不潔な環境で菌が増殖してしまう可能性があります。

清潔にしておけば増殖することはありませんので、毎日のシャワーや入浴を徹底しておくと良いでしょう。

 

とびひになったらお風呂やプールはいつから?

お風呂とアヒルのおもちゃ

 

皮膚の状態を清潔に保つためにも、お風呂は出来るだけ入っておくようにしましょう。熱や体調の悪さが無ければ入っても問題はありません。

ただ、湯船に一緒に入ってしまうと家族内で感染する可能性がありますので、症状が出ている間はシャワーを使うようにしてください

 

保育園や小学校などのプールについては、医療職でも意見が分かれるところなのですが、基本的には治るまで入らない方が良いかと思います。

プールの水を経由して感染する可能性はほとんどありませんが、お友達と直接肌と肌が接触して感染する可能性はありますし、症状がひどくなる可能性もありますからね。

同じ理由で、スイミングスクールや海なども避けておいた方が良いでしょう。

 

水疱が乾く、もしくはかさぶたが取れて綺麗になる頃が、お風呂やプールの再開の目安です。

 

まとめ

とびひはうつる病気ではありますが、他の子からうつるよりは自分で傷口を引っ掻いて感染することの多い病気です。

感染経路も接触感染だけですので、今回お伝えしたような予防法を行うだけでも、感染のリスクを大幅に下げることが出来るでしょう。

 

もし、子供がとびひに感染した場合は、まず皮膚科の病院を受診して治療の方針を決めるようにしてくださいね。