「子供が手足口病に感染したら、保育園は何日休むのが正解なの?」
「登園できる目安として分かりやすい条件が知りたい」
子供が手足口病になった場合に親として気になるのは、やはり保育園に関することではないでしょうか。
特に、保育園に出席停止の期間はあるのか、保育園は何日くらい休めば良いのか、いつから保育園に行けば角が立たないのかといった疑問は、多くの方が持たれているのではないかと思います。
そこで今回は、手足口病の子供を保育園に登園させる際に気になる内容を分かりやすくまとめてみました。
医療職目線で注意しておきたいことだけでなく、保育園やママ友との関係性も含めた上で注意しておきたいことを含め、お伝えしていきたいと思います。
手足口病は出席停止になる?ならない?
まず、手足口病は国が定めている学校保健法では出席停止にならない病気で、出席停止日数などの決まりもありません。その理由は主に以下の2つですね。
- 感染を完全に予防することが難しい
- 感染したとしても軽症で済むことがほとんど
手足口病は、症状が出ていない潜伏期間の段階でもうつる可能性があり、症状が落ち着いてからも最大1ヶ月間は便からウイルスが出続ける病気です。
とはいえ、ウイルスが出続けるからと言って1ヶ月間も保育園を休むのは現実的ではないですし、感染者のほとんどが子供なので予防対策を徹底することも難しいですよね。
つまり、完全に感染を防ぐことは難しい病気と考えられているわけです。
また、手足口病は感染したとしても軽症で済むことがほとんどなので、インフルエンザなどの危険なウイルスに比べると、医学的にはさほど危険視する必要がない病気です。
このような見解から、国としては出席停止にするほどの病気ではないと判断されているわけですね。
出席停止じゃないならすぐに登園してもいい?
ここまでに出席停止の義務はないというお話をしてきましたが、出席停止に関する法律というのは、あくまで医学的に考えた場合の話でしかありません。
手足口病は他の子の保護者や保育園から見ると感染する病気ですから、周囲への配慮をせずに保育園に連れていくのは、現実的に考えて少し厳しいと言えるでしょう。
他の保護者がインフルエンザにかかった子供を治りきる前に連れてきたら不快に感じるのと同じで、やはり不快に感じる人は少なからずいるのが普通です。
実際、出席停止にならないからといってすぐに保育園に連れて行くと、保育園やママ友とのトラブルに発展するケースも少なくありません。
トラブルを避けるためにも、手足口病になった際の登園のタイミングは保育園の先生と相談して決めるのが一般的ですね。
保育園や幼稚園によっては、そもそもトラブルを避けるために手足口病の登園禁止期間を独自に決めているところもありますので、確認のためにも相談はしておいた方が良いでしょう。
また、登園するのに医師が印鑑を押した「登園許可証」が必要な保育園も存在しますので、相談ついでに確認をしておくことをおすすめします。
手足口病で保育園は何日休む?
手足口病の場合、熱や発疹、水疱、口内炎といった症状が落ち着くまでお休みするのが一般的です。
通常であれば症状が落ち着くまでに7~10日ほどかかるため、1週間ほどは休むことになると考えておきましょう。
ただ、1つ注意しておきたいのは、手足口病がうつる可能性のある期間は、症状が出る期間よりも長いということです。
咳や鼻水からは1~2週間、便からは2~4週間ほどウイルスが出続けると考えられていますので、登園を始めてからも他の子にうつさないための予防対策は必要になりますね。
マスクの着用とこまめな手洗い・うがいだけでも、感染する可能性は大幅に減らすことが出来ますよ。
保育園にはいつから登園していいの?
手足口病の子供を保育園に登園させる際には、以下の3つのポイントをおさえておきましょう。
- 症状が落ち着いて元気になっている
- 普段通り食事を食べることが出来る
- 保育園の先生にも相談しておく
この3つのポイントを全ておさえておけば、いざ登園した際のトラブルを最小限に抑えることが出来ますよ。
1.症状が落ち着いて元気になっている
手足口病の症状が残っている間は、保育園で子供の体調が悪化することもありますので、無理に登園させないようにしましょう。
具体的には以下のような体調確認を行い、子供の状態をチェックしておくと良いですね。
- 熱が平熱になっているか?
- 水疱や口内炎は枯れているか?
- 子供の様子は元通り元気になっているか?
熱がない、見た目でジュクジュクした水疱や口内炎がない、子供に活気が戻っているといった状態であれば、しっかりと治っている証拠です。
手足口病の症状が残っている間は、免疫力が落ちて他の病気に感染するリスクも高くなっていますから、自分の都合で無理に登園させてしまわないように注意しておきましょう。
特に、水疱や口内炎が落ち着いているかは重要ですね。見た目に分かりやすい症状なので、治らない状態で保育園に行くと、あまり良い顔をされないことが多いです。
水疱や口内炎が残っているうちは感染力も残っていますので、他の子にうつさないためにもゆっくりと休ませてあげるようにしましょう。
2.普段通り食事を食べることが出来る
手足口病では、口の中に出来る口内炎の痛みによって、子供が食事をあまり食べられなくなってしまうことも少なくありません。
ただ、痛みで食事が食べられなくても熱は下がっていることが多いので、仕事が忙しいお母さんとしては保育園に預けたいと思うことも多いのではないでしょうか。
ですが、保育園は症状に合わせた食事を出してくれるわけではありません。
食事を食べられない子がいたら保育園側としても対処に困ってしまいますので、食べられないうちは自宅で食べやすい食べ物を食べさせてあげた方が良いでしょう。
3.保育園の先生にも相談しておく
子供を登園させるにあたって、電話などで保育園の先生に相談をしておくことも大切です。
手足口病の後に何も言わずに登園させてしまうと、保育園やママ友とのトラブルに発展する場合もありますからね。
一方で、保育園の先生とよく相談した上での登園であれば、トラブルになる可能性はグンと低くなります。
「保育園からの許可が出た」という大義名分があるので、他の子の保護者にも登園を再開した理由を説明しやすいですし、保育園側としても対応に困るということが無くなりますからね。
保育園側としても他の子の保護者からのクレームは避けたいところなので、喜んで相談に乗ってもらえることが多いです。
あなたにとっても保育園にとっても相談することはメリットになりますので、最終的な登園の判断は保育園の先生と一緒に行うようにしましょう。
まとめ
手足口病にかかった場合の保育園への登園は、登園停止の義務こそありませんが保育園や他の子の保護者との兼ね合いが大切になります。
色々と説明してきましたが、簡単にまとめておくと保育園に子供を預ける際の判断基準は以下の通りですね。
- 子供の熱が落ち着いて元気になっている
- 発疹や水疱、口内炎が乾いている
- 食事も普段通り食べられている
このように症状がしっかりと落ち着いた上で、最終的に保育園の先生と相談して登園を再開する日を決めると良いでしょう。
なお、小学校や中学校、高校の場合も、基本的には今回お伝えしたものと同じ対応で問題ありません。
また、手足口病がうつる期間や登園を再開した場合の感染予防法、プールに入っても良いのかといった感染に関するお話については、以下の記事でまとめていますので合わせて読んでおきましょう。