保育園で遊ぶ子供

 

突然ですが、あなたは子供がとびひにかかった時、保育園に登園させるべきか困ってしまうことがありませんか?

「そもそも保育園に登園させていい病気なのか分からない」
「保育園に登園させる目安やタイミングがよく分からない」
「他の子の保護者から何か言われないかと心配…」

 

こんな風に悩んでしまうのは、とびひについて正しく理解をしていないからです。

ネット上では色々な情報が見つかりますが、医療に関する正しい情報を教えてくれるところはあまり多くはありませんからね。

 

そこで今回は、子供がとびひになった際の保育園の登園について、医療職の目線から分かりやすくまとめてみました。

とびひになったら本当に保育園はお休みさせるべきなのか、いつから登園していいのかといったよくある疑問に加えて、感染予防の方法や登園の際のポイントについてもお話していきたいと思います。


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とびひになったら保育園はお休みさせるべき?

保育園で遊ぶ子供たち

 

結論から言うと、とびひになったら一度保育園をお休みして、病院を受診するようにしましょう。

ただ、これはあくまで一度病院に行く必要があるというだけで、必ずしも保育園や幼稚園をお休みしなければならないという意味ではありません。

 

学校保健法では、「医師が症状を診て登園を許可すれば登園可能」と決められており、多くの場合は軽い症状であれば登園しても良いと判断されます。

もちろん、明らかに症状がひどければお休みすることにはなりますが、軽い症状であれば休む必要はないということですね。

 

実際、日本臨床皮膚科医会や日本小児皮膚科学会、日本皮膚科学会、日本小児感染症学会といった皮膚の病気に詳しい学会からは、以下のような統一した見解が出されています。

 

伝染性膿痂疹(とびひ)
水ぶくれや糜爛(びらん)からの浸出液を触ったり、引っ掻いたりすると、中の細菌で次々にうつります。特に鼻の入り口には原因の細菌が沢山いるので鼻をいじらないようにしましょう。
病変が広範囲の場合や全身症状のある場合は学校を休んでの治療を必要とすることがありますが、病変部を外用処置して、きちんと覆ってあれば、学校を休む必要はありません。

引用:公益社団法人日本皮膚科学会HP

 

簡単に言ってしまえば、とびひの症状がひどいケースを除けば、保育園や幼稚園、学校などに行っても問題ないということが書かれています。

ただし、登園や出席をするのであれば、「とびひになっている部分を処置して覆っておく」という条件付きですね。

 

つまり、症状がひどくなければ、「病院を受診して処置をした上で、医師が登園許可を出せば登園OK」と考えておいて良いでしょう。

 

保育園側が登園禁止にしているケースも

とびひは、適切な対処をすれば感染するリスクもあまり高くはありませんので、登園してもさほど問題のない病気です。

しかし、中には「とびひに感染した場合は登園禁止」としている保育園もありますので、自己判断だけで保育園に連れて行くのは止めておきましょう。

 

保育園にもよりますが、よく見かけるのは「医師の登園許可が出るまでは登園禁止」といったルールですね。

先ほどもお伝えした通り、あらかじめ病院を受診しておけばクリアできる条件です。つまり、どちらにせよ一度皮膚科の病院を受診するようにしておけば良いでしょう

 

なお、このような登園の決まりについては、保育園の先生に相談すれば教えてもらえます。まずは電話で確認をしてみると良いでしょう。


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保育園にはいつから登園していいの?

保育園に登園中の子供

 

保育園への登園を再開する目安は、強い症状がある程度落ち着いてからと考えておきましょう。

上でも少しお話した通り、とびひの症状が見るからにひどいケースや、発熱などの全身症状が現れているケースでは登園は認められていません

 

これは、無理に登園させて子供の体調を悪化させないためですね。特に子供のとびひは、かゆみで水疱を掻き壊してしまいがちですから、かゆみが強いと悪化する可能性は高いと言えます。

あとは、感染を防ぐ目的もあるでしょう。症状がひどい時には、感染力も強い傾向にありますからね。

 

以下では、具体的に登園しても良いケースと休んだ方が良いケースをご紹介していますので、参考にして頂ければと思います。

 

とびひでも保育園に登園して良いケース
  • とびひにかかっている範囲が狭い(ガーゼで覆える程度)
  • 水疱があまり潰されておらず、ジュクジュクしていない
  • 既に水疱が乾いている、もしくはかさぶたになっている
  • かゆみがさほど強くなく、子供が掻きむしらない

 

とびひで保育園を休んだ方が良いケース
  • 腕や足などの広い範囲にとびひが出ている
  • 鼻や口周りなど顔の中でも覆うのが難しい場所にとびひがある
  • 患部からジュクジュクとした汁が出ている
  • かゆみがひどく、子供が掻きむしってしまう
  • 発熱や体のだるさといった全身症状が出ている

 

登園許可証は必要?

とびひに感染した際、登園にあたって医師の印鑑を押した「登園許可証」が必要になる保育園もありますので注意をしておきましょう。

登園許可証が必要かどうかは、保育園や自治体によっても変わってきます。特に必要ないところもあれば、必ず提出するように言われるところもありますね。

 

書類の形式なども決まっている場合がありますので、登園許可証が必要かどうか、まずは保育園に電話して確認をしておくと良いでしょう

 

なお、登園許可証は「医師が登園しても大丈夫と認めた」という証明になる書類です。

しっかりと病院を受診して治療をした証拠にもなりますので、保育園や他の子の親から後で何か言われないように提出するというのも1つの手ですね。

 

とびひの症状あるうちはガーゼを使って感染予防を

ガーゼと包帯を付けた手

 

とびひは症状が残っていても登園可能になることが多い病気です。ただ、登園となると、やはり気になるのがとびひに感染した部分ですよね。

とびひに感染した部分に触れると菌がうつるので、場合によっては他の子にも感染してしまいます。感染を広げないよう、患部をガーゼで覆っておくことが大切と言えるでしょう。

 

ちなみに、子供が掻きむしってしまう場合にもガーゼで予防するのは効果的です

掻きむしっていると、あっという間にとびひが広がってしまいますから、子供のためにもガーゼでしっかりと患部を覆ってあげるようにしましょう。

 

とびひの際のガーゼの貼り方

とびひの際のガーゼの貼り方は、以下のような手順で行うようにしましょう。

  1. 石鹸を使ってやさしく患部を洗う
  2. 水分を綺麗にふき取る
  3. 病院でもらった塗り薬を患部に塗る
  4. 上から患部を覆うようにガーゼを貼る
  5. ガーゼが取れないよう包帯を巻く

 

まずは、あらかじめ患部を綺麗に洗って、よく乾かすようにしましょう。しっかり乾いていないと、ガーゼが取れやすくなってしまいます。

次に、病院でもらった塗り薬を患部にしっかりと塗って、上からガーゼで覆うようにしてください。薬は少し厚めに塗っておくと、患部にガーゼが貼りつきにくくなります。

 

あとは、ガーゼがずれたりしないように包帯を上から巻けば良いでしょう。特に、子供がすぐに搔いてしまうような場合には、巻いておいた方が安心ですよ

ガーゼは汚れてきたら変えた方が良いので、汚れに応じて1日1~2回ほど変えると良いですね。

 

とびひのガーゼはいつまで続ける?

ガーゼは、発疹や水疱が完全に枯れるまで続けるようにしましょう。かさぶたがある場合は、かさぶたが自然にはがれるまで待つと良いですね。

子供が自分でかさぶたをはがしてしまうと、塞がりかけた傷口が開いてしまいますから、かさぶたになってもガーゼは続けておいた方が良いでしょう。


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保育園に登園させる際の3つのポイント

保育園に登園してきた女の子

 

とびひが残ったまま保育園に登園する場合、ガーゼで患部を保護する以外にも、いくつか気を付けておきたいことがあります。

具体的には、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

  1. 子供の体調を考えて登園を決める
  2. 保育園の先生に相談して登園許可をもらう
  3. プールは完治するまで避ける

 

1.子供の体調を考えて登園を決める

子供の体調は医師が診てもらうのが基本ですが、保育園に行く日の調子は親にしか分かりません。そのため、まずは保育園に行く日の子供の体調を、よく見てあげるようにしてください。

病院を受診した日には調子が良くても、いざ保育園に行く日になったら「とびひが悪化した」、「かゆみがひどくなった」といったことはよくある話です。

 

2.保育園の先生に相談して登園許可をもらう

登園を再開する場合には、保育園の先生にも相談をしておきましょう。保育園側とのトラブルを避けることが出来ますし、他の子の親にも説明がしやすくなりますからね。

相談をする際には、子供の状態や医師の診断、いつから登園したいということを伝えておくと、話がスムーズに進むかと思います。

 

3.プールは完治するまで避ける

とびひは、プールの水を経由して感染するような病気ではありません。ただ、肌と肌が接触することで感染する可能性はありますので、プールには完治するまで入らないようにしてください。

出来れば、肌が綺麗になったタイミングで一度医師にも相談をしておくと良いでしょう。医師からの許可があれば、保育園側や他の子の保護者も納得しやすいですからね。

 

まとめ

子供がとびひになったとしても、基本的には医師の許可があれば保育園に登園することが出来ます

ただ、保育園によっては独自の登園禁止期間が存在することもありますので、保育園の先生ともよく相談して登園のタイミングを決めるようにしてくださいね。

 

また、綺麗に治るまでは患部をガーゼで覆うことも忘れないでください。とびひを悪化させないためにも、医師に診てもらいつつ治療を続けることが大切です。

 

あとは、とびひの感染を広げないためにも、以下の記事を合わせて読んでおくことをおすすめします。

『とびひは赤ちゃんや大人にうつる?お風呂やプールはいつから?』