あなたは、ご飯を食べると胃が痛くなることがありませんか?痛みがひどいと、何かの病気じゃないかと気になってしまいますよね。
胃痛は一見よくある症状なので放置しまいがちですが、中には適切な対処を行わないと、悪化したり慢性化してしまう病気もありますので注意が必要です。
そこで今回は、ご飯を食べると胃が痛い時に主に考えられる原因について、分かりやすくまとめてみました。
胃の痛み以外に出てくる、下痢や吐き気などの症状についても触れていますので、自分の状態と照らし合わせながらチェックしてみてくださいね。
胃炎
胃が痛い時に真っ先に考えられるのが胃炎ですね。胃炎には、急に胃痛が出てくる急性胃炎と、胃痛が繰り返し続く慢性胃炎の2種類があります。
一般的には、急性胃炎を繰り返して胃の粘膜が弱ってしまい、慢性胃炎になることが多いですね。
胃炎は大抵の場合、暴飲暴食やストレス、不規則な生活、タバコの吸いすぎなどの胃に対する刺激をきっかけとして起こります。
また、いわゆる胃腸炎のようなウイルスによる胃炎、アレルギーによって起こる胃炎も少なくありません。
胃炎の主な症状は、胃痛や胃のあたりに起こる不快感、食欲不振、胃のむかつきなどですね。時々、吐き気や嘔吐を引き起こす場合もあります。
慢性胃炎になってしまうと、いつも胃に不快感があり、空腹時や食後の痛み、胃もたれ、胸やけなどに悩むことが増えるので注意しておきましょう。
また、ウイルス性の胃腸炎の場合は、急に胃痛が出てくるとともに、熱や下痢、嘔吐の症状が激しく現れることが多いのも特徴ですね。
胃炎は胃もたれのきっかけとして最も多い原因の1つで、胃の病気の中では頻繁にかかる病気でもあります。
胃炎の原因に思い当たる節があり、上に書いたような症状が複数当てはまる場合には、まず胃炎を疑うようにしましょう。
機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)
胃にはっきりとした炎症や潰瘍などの原因がないにも関わらず、胃痛や胃もたれなどの症状が現れる状態を「機能性胃腸症」と言います。
機能性胃腸症というのは、簡単に言えば何かしらの原因で胃の働きそのものに問題が出ている状態ですね。はっきりとした原因が無いのに、胃がうまく働かなくなっているというイメージで良いでしょう。
なぜ機能性胃腸症になるのかははっきりしていませんが、今のところ職場やプライベートでのストレスが大きく関わっていると考えられています。いわゆる現代病の1つですね。
機能性胃腸症の主な症状は、胃の痛みや胃もたれなどです。食欲が無くなるわけではないですが、すぐにお腹がいっぱいになることが多いのも特徴ですね。
一説では、胃に不調を訴える人の大半が機能性胃腸症を発症しているとも言われています。多くの人に症状が現れることから、加齢による胃腸の弱りと間違えられることも多いですね。
食後に起こる胃の痛みや胃もたれに加えて、すぐに満腹感が来てしまうという場合には、機能性胃腸症を疑うようにしましょう。
胃潰瘍(いかいよう)
胃潰瘍は、胃酸の出すぎなどが原因となって胃そのものを傷つけてしまい、胃の壁に深い傷が出来てしまう病気です。
いわゆる「胃に穴が開いた」状態で、口内炎のようなクレーター状の傷が出来ることが多いですね。ひどくなると範囲が広がったり、傷が深くなって胃に完全な穴が開いてしまうこともあります。
胃潰瘍の主な原因は、過度なストレスや疲れ、胃に負担のかかる痛み止めの飲みすぎなどですね。
また、胃潰瘍にかかった人の大多数に「ヘリコバクター・ピロリ菌」が確認されており、ピロリ菌を持っている場合には胃潰瘍になりやすいと考えられています。
胃潰瘍の主な症状は、みぞおちの痛みや食欲低下、胸やけ、酸っぱいゲップ、胃の張り、吐き気、嘔吐などです。食事中や食べた後に痛みが出てくることが多いのも特徴ですね。
また、潰瘍の状態がひどくなると、傷口から出血を起こして吐血や黒い便(タール便)、貧血などの症状が現れることもありますので、注意して見ておきましょう。
何か食べ物を食べると胃痛がするのは一般的な胃炎と似た症状なので、目立った症状が出るまで胃潰瘍と判断するのは難しいケースが多いです。
そのため、いつもの胃痛と違ってなかなか治らないという場合には、念のため胃潰瘍を疑った方が良いでしょう。
十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)
十二指腸潰瘍というのは、胃の先にある十二指腸という部分で潰瘍を起こす病気です。基本的には胃潰瘍と同じような病気として扱われており、原因や症状も胃潰瘍とよく似ています。
十二指腸潰瘍の原因は胃潰瘍とほとんど同じで、ストレスや疲れ、痛み止めの飲みすぎなどですね。
主な症状は、みぞおちあたりの痛みや胸やけ、食欲低下、胃やお腹の張り、吐き気、嘔吐などです。
出てくる症状は胃潰瘍と似ていますが、十二指腸潰瘍の場合は空腹時の痛みが多いのが特徴ですね。特に、夜間や朝起きた時の痛みが強くなる傾向にあります。
また、何か食べると胃痛が治ることが多いのも、胃潰瘍とは異なる点ですね。ご飯を食べる前や食べた直後に痛みが出ていても、食後30分もすれば落ち着くといったケースが多いです。
上に書いたような症状、特に空腹時の胃痛が当てはまる場合には、十二指腸潰瘍の可能性を疑うようにしましょう。
まとめ
以上が、ご飯を食べると胃が痛い時に主に考えられる原因ですね。もう一度まとめておくと、ご飯を食べると胃が痛いという場合には、以下の4つの原因が考えられます。
- 胃炎
- 機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)
- 胃潰瘍(いかいよう)
- 十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)
大抵はどれかの症状に当てはまるかと思いますが、もし当てはまるものがない場合には『みぞおちを押すと痛い!吐き気や下痢、おならがある時の原因は?』もチェックしてみてください。
今回お話したように、食べた後に胃が痛い場合は、何かしら病気が潜んでいる可能性が高いと言えます。症状がひどい場合には、早めに病院を受診するようにしましょう。
なお、自宅で治療をする際には、胃や十二指腸などの消化器系の臓器をうまく休ませてあげることが大切になります。
具体的な対処法については、『胃が痛い時の正しい対処法まとめ!【ストレスや食べすぎにも】』で詳しくお話していますので、合わせて読んでおくようにしましょう。