あなたは今、みぞおちの痛みや違和感で悩んではいませんか?病院でも、「みぞおちに違和感があって押すと痛い」という方は意外とよく見かけるものです。
特に、吐き気や下痢、おならが多いなど他の症状まである時は、内臓の病気なんじゃないかと心配になってしまいますよね。
そこで今回は、みぞおちを押すと痛い時に主に考えられる原因を分かりやすくまとめてみました。
この記事を読めば、みぞおちの痛みでよくある原因は一通り理解出来ますので、自分の症状に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
日常的によく起こるみぞおちの痛み
胃もたれ
みぞおちの痛みの原因として最も多いのが、様々な原因で起こる軽い胃もたれです。あなたも一度はなったことがあるのではないでしょうか。
胃もたれは、食べすぎや刺激物の摂りすぎ、アルコールの飲みすぎなどをきっかけとして起こることが多いですね。
主な症状は、みぞおちの痛みと重苦しい違和感です。食べ始めてすぐにお腹がいっぱいになったように感じることも多いですね。
若いうちは胃もたれが起こっても自然と治ることが多いのですが、年齢とともに胃腸機能が低下して慢性化してしまうことが少なくありません。
胃もたれを慢性化させないためには、バランスの良い食事と適度な運動、規則正しい睡眠といった、一般的な対処法が効果的と言えるでしょう。
ストレス(神経性胃炎)
「ストレスで胃がキリキリ痛む」といった言葉もある通り、ストレスは胃の不調を引き起こす原因の中でもよく見かけるものの1つです。
ストレスによって胃を支配している自律神経が乱れると、胃酸が過剰に分泌されてしまいます。そして、過剰に分泌された胃酸が胃の粘膜を傷つけると、みぞおちに痛みが出るという流れですね。
職場やプライベートでの人間関係、睡眠不足、スマートフォンやパソコンの使い過ぎなどがストレスを起こすきっかけになりやすいと言えるでしょう。
ストレスによる主な胃の症状は、みぞおちあたりの痛みや胸やけなどですね。急性胃炎を起こした場合には、胃の痛みの他に吐き気や下痢などを伴うこともあります。
対処法としては、痛みが出たら温かい飲み物を飲むのが効果的です。胃酸を中和できるアルカリイオン水やホットミルクなどがおすすめですよ。
ただ、根本的に治すためにはストレスを減らしていくことが必要になります。自分なりのストレス解消法を見つける、ストレスの原因から離れるなどの対策を合わせて行うようにしましょう。
筋肉痛
「みぞおちで筋肉痛?」と思うかもしれませんが、実はみぞおちにも筋肉はあり、筋肉痛を起こすことも少なくはありません。
みぞおちあたりの筋肉痛は、普段はやらないような動きをした後や、お腹の筋トレをした後などに起こりやすいです。特に、普段あまり運動をしない人が、急に運動をした時などによく起こりますね。
筋肉痛によるみぞおちの痛みは、動かさない時には痛みが無く、動くと痛いのが特徴です。
他の症状は無いのに体を起こすと痛い、走ると痛い、息を吸うと痛い、咳をすると痛い、みぞおちを押すと痛いといった場合には、筋肉痛によるみぞおちの痛みの可能性が高いと言えるでしょう。
筋肉痛は、無理に腹筋を動かさなければ自然と治ります。年齢によって個人差はあるものの、数日~1週間ほどで完治するのが一般的ですね。
ガス溜まり(おならが溜まっている)
腸の上の方におならのガスが溜まると、胃腸を圧迫してみぞおちに痛みが出ることがあります。
ガスが溜まる原因は、若い人であれば大抵が便秘ですね。あとは、加齢などによって胃腸の機能が低下してガスが溜まることもあります。
主な症状は、お腹の痛みとおならの臭い、お腹の張りなどです。臭いが気になっておならを我慢してしまい、お腹が痛くなるというケースが多いですね。
おならさえ出してしまえば症状は治まることが多いのですが、根本的な解決にはなりません。便秘にならないよう、普段から腸内環境を整える必要があると言えるでしょう。
腸内環境を整えるには、ヨーグルトや納豆などの乳酸菌を含む食事を、毎日摂ることが大切になります。
毎日続けるのが難しいという場合には、手軽に摂りやすい腸内環境を整えてくれるサプリメントを使うのがおすすめですよ。
病気によるみぞおちの痛み
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
みぞおちあたりに腹痛がある場合、最初に考えるのが胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった病気です。
潰瘍というのは、簡単に言えば「穴が開いたような状態」のことで、傷が深くえぐれたようなイメージを持っておけば良いでしょう。
胃に潰瘍ができるのが「胃潰瘍」、胃と腸をつなぐ十二指腸に潰瘍ができるのが「十二指腸潰瘍」というわけですね。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、ストレスによる胃痛が悪化して起こることが多いです。その他、胃に負担のかかる風邪薬や痛み止め、ステロイドなどを使いすぎることで起こることもありますね。
主な症状は、みぞおちやみぞおちの下あたりのチクチク、ズキズキとした痛みです。胸やけや酸っぱいゲップ、食欲不振、お腹の張りなどが出てくることも多いですね。
潰瘍からの出血が激しい場合は、吐血や下血を起こすこともありますので注意をしておきましょう。
また、胃潰瘍は食後に痛みが出ることが多く、十二指腸潰瘍は空腹時に痛みが出ることが多いのも特徴です。
放置していると悪化したり再発を繰り返すことがあるため、自己判断で治療せず、「消化器内科」のある病院を受診するようにしましょう。
胆石症(たんせきしょう)
胆石症というのは、胆汁(たんじゅう)という消化液の通り道のどこかに石ができる病気です。少し分かりにくいかと思うのですが、肝臓の病気の一種と覚えておけば良いでしょう。
コレステロールなどが固まって石が出来るので、食べすぎや脂肪の摂りすぎ、ストレスなどをきっかけとして発症することが多いですね。
主な症状は、みぞおちや右側の肋骨、右脇腹あたりの痛みです。お腹の痛みだけにとどまらず、背中や肩の方まで痛みが出ることもありますね。
その他の自覚症状としては、発熱やお腹の張り、目や皮膚の色の黄色っぽい変色、吐き気・嘔吐などが見られることが多いです。
上に書いたような症状に加えて、みぞおちの右側が硬くなっていて、お腹を押さえると痛いという場合には、胆石症の可能性が高いと考えておきましょう。
症状の程度によっても対処法が変わってきますので、まずは病院を受診して検査を受けるようにしてくださいね。
急性膵炎(きゅうせいすいえん)
急性膵炎というのは、胃と腸の間にある「すい臓」という臓器に、何かしらの原因で炎症が起こる病気です。
かたよった食生活やアルコールの飲みすぎが原因になりやすいのですが、特に目立った理由もなく発症する場合もありますね。
急性膵炎の主な症状は、みぞおちやお腹の左上を中心とした激しい痛みです。背中や肩の方まで痛みが出てくる場合もありますね。
その他に出てくる症状としては、腹部の張りや違和感、吐き気・嘔吐などがあります。お腹を押すと痛いのも特徴で、押された時の痛みでお腹が硬くこわばることが多いです。
急性膵炎は、軽症であれば病院で適切な治療を行えば良くなることがほとんどです。ただ、重症化すると命を落とすこともありますので、早めに病院を受診するようにしてくださいね。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで起こる食道の炎症です。
通常であれば、「下部食道括約筋」という筋肉が逆流を防ぐようになっているのですが、この筋肉が何かしらの原因で機能障害を起こすと、胃酸が逆流してしまうというわけですね。
逆流性食道炎は、暴飲暴食や加齢、猫背、肥満などが原因となって起こると考えられています。
元々は高齢者に多い病気だったのですが、最近では若い人でも発症することが増えてきているので注意が必要ですね。
逆流性食道炎の主な症状は、胸やけや吐き気、咳、喉の違和感、ツンとした口臭などです。胸やみぞおちのあたりに締め付けられるような痛みを感じることも少なくありません。
また、「呑酸(どんさん)」というすっぱい胃酸が喉や口の中に上がってくるような感覚も、逆流性食道炎の特徴的な症状ですね。
大げさな症状ではないことが多いので放置してしまいがちなのですが、放っておくと食道が狭くなったり、がんになるということもあります。
自然に治ることは少ない病気なので、逆流性食道炎のような症状が繰り返す場合には、病院の「消化器内科」などを受診して、適切な治療を受けるようにしましょう。
急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん)
急性虫垂炎は、一般的には「盲腸(もうちょう)」と呼ばれている病気ですね。お腹の右下あたりにある虫垂という部分に、何かしらの原因で炎症が起こる病気です。
大人よりも子供に発症しやすく、便秘や暴飲暴食、ストレスなどが原因になると考えられています。
盲腸の主な症状は、お腹の痛みや発熱、吐き気・嘔吐、下痢などです。お腹の痛みはみぞおちの下あたりから始まり、徐々におへそ周りや右下腹部へと移動していくことが多いですね。
また、みぞおちやお腹を押すと痛みが強まり、押している手を急に放すと反動で痛みが強くなるという特徴があります。
お腹の痛みは12~48時間ほどで右下腹部に移動するので、みぞおちやお腹にズキズキとした激しい痛みがあり、徐々に右下に移動している場合には盲腸の可能性が高いと言えるでしょう。
放置していると腹膜炎などを合併して命に関わることもありますので、盲腸の可能性が高い場合にはすぐに「消化器内科」のある病院を受診するようにしてください。
まとめ
以上が、みぞおちが痛い、違和感があるという時によくある原因ですね。もう一度簡単にまとめておくと、みぞおちの痛みが出た時には以下のような原因が考えられます。
■日常的によく起こるみぞおちの痛み
- 胃もたれ
- ストレス(神経性胃炎)
- 筋肉痛
- ガス溜まり(おならが溜まっている)
■病気によるみぞおちの痛み
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
- 胆石症
- 急性膵炎
- 逆流性食道炎
- 急性虫垂炎(盲腸)
みぞおちの痛みや違和感の大半は、そこまで気にする必要のないものですが、時々厄介な病気が潜んでいる可能性もありますので注意が必要です。
日常でよくあるみぞおちの痛みの場合も、繰り返さないように日頃から対策をしていくようにしましょう。
また、みぞおちの右側が痛い時は『右の脇腹が痛い時の原因6つ!押すと痛みが出る病気は?』、みぞおちの左側が痛い時は『左の脇腹がチクチク痛い5つの原因!押すと痛い病気は?』も合わせてチェックしておきましょう。
お腹の痛みの基本的な対処法については、『お腹が痛い時に役立つ対処法5つ!食事や寝方はどうする?』を参考にしてください。