「昼間はそうでもないのに、夜になると咳が止まらない…」なんて経験がありませんか?寝る時になって咳がひどくなると、なかなか寝れないので困ってしまいますよね。
風邪が原因の咳であれば問題ないのですが、中にはいつまで経っても咳が続くなんてことも…。こういった咳には病気が潜んでいる可能性もあるので、早めに対処をしていく必要があります。
そこで今回は、夜になるとひどくなる咳の主な原因と対処法について詳しくお話したいと思います。
夜に咳が出るときに考えられる原因と、自宅で出来る対処法をまとめていますので、まずは原因をある程度絞り込んだ上で対処法を実践していきましょう。
夜寝るときに咳が止まらない原因は?
夜寝るときに咳が止まらない場合というのは、大きく分けて一時的なものと慢性的なものが存在します。
2週間ほどで治る一時的な咳については、症状がひどくない限りさほど心配はありません。ただ、2~3週間以上咳が続いている場合には、以下のような原因が考えられますので注意をしておきましょう。
昼間より気管支が狭くなっている
夜に自宅でリラックスしている時というのは、活動時ほど酸素を取り入れる必要がありません。そのため、空気の通り道である気管支が活動時よりも狭くなっています。
結果として、空気が通る時に気管を刺激しやすくなり、咳も出やすくなるというわけですね。
誰にでも起こる可能性のある現象ですが、普通の人はこれだけで咳が続くということはありません。元々気管支が敏感な人や、いわゆる喘息(ぜんそく)の経験がある人に多い原因と言えるでしょう。
鼻水が喉に流れ込んでいる
風邪などをひいた時に仰向けになって寝ていると、鼻水が喉の方に垂れてくるような感覚を覚えたことがありませんか?
これは「後鼻漏(こうびろう)」という病気の一種で、成人のおよそ3割が発症していると考えられています。喉に流れた鼻水が刺激となって、咳が出てしまう状態ですね。
鼻水が喉に流れる感覚に加えて、口や喉がなんとなくネバネバしたり、不快感で咳が出るという場合には、この病気の可能性があると言えるでしょう。
咳喘息(せきぜんそく)を起こしている
風邪が治った後も咳だけ残って続いているという場合には、「咳喘息(せきぜんそく)」の可能性があります。
咳喘息というのは、いわゆる喘息の一歩手前のような状態で、気管支が普通の人より狭くなってしまう病気ですね。気管支が狭くなることで刺激を受けやすくなってしまい、咳が出るようになります。
中でも夜間~明け方にかけては、リラックスして気管支が狭くなるので、咳が出やすくなります。2週間以上原因不明の咳があり、特に夜がひどいという場合には、咳喘息の可能性を考えておきましょう。
アトピー性咳嗽(あとぴーせいがいそう)を起こしている
アトピー性咳嗽というのは、ダニやほこり、花粉といったアレルギー物質が原因で起こる咳の一種です。元々アトピーを持っている人に起こることの多い病気ですね。
主な症状は、夜寝る時から早朝にかけて起こる長引く咳で、喉の奥の方にかゆみを伴うこともありますね。
症状こそ上でお話した咳喘息とよく似ていますが、原因は全く異なります。気管支が狭くなっているわけではなく、喉の奥でアレルギーを起こしているような状態と考えておきましょう。
咽頭アレルギーを起こしている
咽頭アレルギーは、ダニやほこり、花粉などが原因となって喉に炎症が起こる、アレルギー性の病気です。アトピー性咳嗽とよく似ていますが、咽頭アレルギーの場合は気管などに症状が現れず、喉にだけ限定して症状が起こるのが特徴ですね。
主な症状は、喉の違和感としつこい咳です。ダニやほこりが原因となることが多いので、布団に横になると咳が出るというケースも少なくありません。
アトピー性咳嗽と同じく、元々何かしらのアトピー性の病気を持っている人に起こりやすい病気です。
夜になると咳が止まらない時の対処法
上でもお伝えした通り、夜になると咳が出る人というのは、喉や気管支が普通の人より敏感だったり、アレルギーを持っているケースが少なくありません。
つまり、喉を刺激しないよう注意したり、周りのアレルギー物質を減らすことが基本的な対処法になるわけですね。
これを踏まえて、具体的には以下の4つの対処法を実践していくと良いでしょう。
タバコやアルコールをやめる
タバコやアルコールは、どちらも喉や気管支を刺激する原因になります。むやみに続けていると咳が悪化しかねませんので、喫煙や飲酒は出来るだけ早めにやめるようにしてください。
特にタバコは、慢性的な咳の原因になりますので注意が必要です。続けていると肺が壊れていき、高齢になる頃にはまともに動けなくなってしまうことも少なくありません。
お酒については人によるところもありますが、基本的には止めておいた方が無難です。特に、お酒を飲んだ後に咳が出る人は避けておいた方が良いでしょう。
アレルギー物質を遠ざける
上でもお話した通り、夜になると咳が止まらない場合、特に2~3週間以上長引いている咳については、アレルギーが原因となっているケースも少なくありません。
多くの場合は部屋や布団のダニ・ほこりなどが原因と考えられますので、普段から部屋や布団を綺麗にしておくことが大切になります。
部屋にほこりが溜まらないようにこまめに掃除する、布団はダニが繁殖しないように干す回数を増やすなど、出来るだけ対策を行うようにしてください。
布団はほこりも溜まりやすいので、ダニだけでなくほこりも除去出来る布団専用のクリーナーを使うのがおすすめですよ。
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マスクをつけて寝る
マスクをつけておくと、口や鼻から入ってくるアレルギー物質の量を減らすことが出来ます。また、呼吸で出てくる水蒸気を閉じ込めることが出来るので、喉の保湿にも効果的ですね。
アレルギー物質は咳が出る直接の原因になるので、出来るだけシャットアウトした方が良いのはイメージがつくかと思います。
また、喉が乾燥していると余計に咳が出やすくなってしまいますので、喉の保湿も案外バカには出来ません。歌手や声優などが喉の保湿に気を使っているのも、喉を痛めないためですからね。
マスクには色々種類がありますが、保湿効果に優れている「ぬれマスク」がおすすめです。歌手などでも使っている方が多いので、夜の咳が辛い場合には一度試してみましょう。
横向きで寝る
実際に寝る時には、仰向けよりも横向きで寝る方が咳が出にくくなります。これは、仰向けで寝ると空気の通り道である気道が狭くなり、刺激を受けやすくなってしまうためですね。
また、仰向けで寝ると痰や鼻水が喉の奥に流れてしまいますが、横向きであればそのようなこともありません。
たかが寝方、されど寝方です。僕自身も、鼻水が喉に流れてくる症状で咳が出て、夜眠れないことがあったのですが、横を向いて寝るようにしてからは大分楽になりました。
特に、鼻水が喉に流れることで起こる咳には効果的です。横向きが慣れないという方は、枕の高さなどを調整しつつ試してみてくださいね。
まとめ
以上が、夜になると咳が止まらない時の主な原因と対処法です。もう一度簡単にまとめておくと、以下の通りですね。
■夜に咳が出る主な原因
・夜は昼に比べて気管支が狭くなる
・鼻水が喉に流れ込んでいる
・咳喘息を起こしている
・アトピー性咳嗽を起こしている
・咽頭アレルギーを起こしている
■夜に咳が出る時の対処法
・タバコやアルコールをやめる
・アレルギーの原因になる物質を遠ざける
・マスクをつけて寝る
・仰向けではなく横向きになって寝る
夜になると咳が止まらないという方は、今回お伝えしたような対処法を普段から実践するようにしてみてください。
この4つの対処法を全て実践することで、咳が出る原因の大部分を抑えることが出来ますよ。
ただ、今回お伝えした対処法は、あくまで咳が出る原因を減らすための対策が中心になります。つまり、病気そのものを治すような対処法ではありません。
そのため、このような対策を行っても咳が出続ける、だんだん症状が悪化していくという場合には、以下の記事を参考に早めに病院を受診するようにしてくださいね。