咳が長引くことで有名な「咳喘息」ですが、意外と何が原因で起こるのか知らないという方は少なくありません。
実際、咳喘息はどちらかと言えば「気付いた時には咳が続いている」といったことの多い病気ですから、原因に気づかないのも無理はないんですよね。
そこで今回は、咳喘息を起こす原因と対処法について詳しくまとめてみました。
咳喘息の原因をしっかりと理解した上で、本格的な咳喘息にならないように対処をしていきましょう。
咳喘息を起こす主な原因は?
咳喘息というのは、簡単に言ってしまえば「喘息(ぜんそく)」の一歩手前の症状です。喘息ほどひどくはないものの、空気の通り道である気管支が炎症で狭くなってしまう病気と考えておけば良いでしょう。
喘息といえば子供のイメージかと思いますが、咳喘息の場合、年齢はあまり関係ありません。子供でも大人でも起こる病気です。また、男性よりも女性に多いのも特徴的ですね。
そんな咳喘息を引き起こす原因としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- ハウスダスト(ダニ、ほこりなど)
- ペットの毛やフケ
- 花粉
- 黄砂、PM2.5
- タバコ
- アルコール
- 急な気温の変化
ハウスダストやペットの毛、花粉などは、知らないうちにアレルギーを持っている人も多いので注意が必要です。
特に、前に喘息になったことのある人や、元々何かしらのアレルギーを持っている人は、咳喘息を起こしやすいと考えておきましょう。
また、タバコやアルコールなども、気管支を刺激して咳を起こしやすくしてしまいます。タバコは吸っている人の煙を吸うだけでもNGなので、吸っていない人も注意しておきましょう。
同じように、急な気温の変化が原因となることも多いですね。特に、春や秋などは朝晩の気温の変化が激しくなりがちなので、明け方に咳込むという人が多いですよ。
咳喘息は風邪の後にかかりやすい
咳喘息は、風邪やインフルエンザなどの後に続いて起こりやすい病気としても知られています。
実際、僕自身も風邪の後に咳が止まらなくなって、咳喘息になった経験があります。
最初のうちは「なかなか治らない風邪だな…」と思っていたのですが、1か月経っても良くならないと、さすがに不安になってくるんですよね。
そこで医師に相談したところ、「あ~、それは咳喘息の可能性が高いね~」と言われて、初めて咳喘息に気が付いたという流れでしたね。
実際、他の患者さんを見ていても、「咳が止まらないな…と思っていたら咳喘息だった」ということが多いので注意が必要です。
目安としては、2~3週間以上咳が続く時に咳喘息を疑うと良いでしょう。普通の風邪は長くても2週間ほどで治まることが多いので、それ以上続くようであれば咳喘息の可能性が高くなりますよ。
大人はストレスが原因になることも?
大人の場合は、ストレスがきっかけとなって咳喘息を起こすことも少なくありません。
例えば、ストレスは免疫力の低下を引き起こすことで知られています。免疫力が低下すると風邪を引きやすくなり、結果として咳喘息を起こしやすくなってしまうというわけですね。
また、ストレスは気管支を敏感にしてしまうことも多いです。気管支が過敏になると、ちょっとした刺激にも反応しやすくなるので、その分咳喘息を起こしやすくなってしまうんですね。
大人は、日々の仕事や生活の中で、ストレスを溜め込みやすいものです。
想像してみてください。あなたは日々の生活の中で、仕事に行きたくないと感じたり、対人関係でイラっとすることが多くはありませんか?
仕事は大変なものと割り切って無理に頑張っている、嫌な人と話したくないけれど我慢して会っているという方も、ストレスを溜め込みやすいので注意が必要ですよ。
仕事や対人関係の悩みは、多くの大人が抱えているストレスです。実際、咳喘息と診断された人はストレスを抱えていることが多いので、影響は少なくないと考えておきましょう。
咳喘息にならないための対処法
ここまでにお話した咳喘息の原因を踏まえると、咳喘息にならないためには以下のような対処法を行っていくことが大切になります。
- 普段から手洗い・うがいをする
- アレルギーを起こす物質を遠ざける
- タバコは吸わない
- アルコールを飲みすぎない
- 急な気温の変化を避ける
- ストレスをためないよう心掛ける
咳喘息をこれ以上悪化させないための対策でもあるので、「もしかしたら咳喘息かも?」という方も、ぜひ実践してみてくださいね。
普段から手洗い・うがいをする
手洗いやうがいは、風邪にならないための基本中の基本です。風邪から咳喘息になることが多いので、まずは風邪を予防することが大切と言えるでしょう。
手洗いやうがいは軽く見られがちですが、風邪を予防するのであれば他のどんな対策よりも効果的です。風邪が流行ることの多い夏や冬、季節の変わり目などには実践しておきたいですね。
アレルギーを起こす物質を遠ざける
自分がアレルギーを起こす物質が分かっているのであれば、その物質を出来るだけ遠ざけることが大切になります。ハウスダストが原因であれば掃除をする、花粉が原因であれば普段からマスクを着用し、家に花粉を持ち込まないなどですね。
自分にアレルギーがあるかどうかなんて知らないという人は、ハウスダストやペットの毛、花粉などに注意しておくと良いでしょう。外出中はマスクをつけておき、自宅は出来るだけ綺麗にしておくのがおすすめですよ。
タバコは吸わない
咳喘息の原因でもお話した通り、タバコは咳喘息を引き起こす原因になりがちです。それどころか、咳喘息を悪化させる原因にもなりかねません。
タバコをやめるのは簡単なことではありませんが、他の人にも頼りながら少しずつ量を減らしていくと良いでしょう。また、タバコの煙そのものも咳喘息の原因になりますので、タバコを吸っている人の隣に行かないことも大切ですよ。
アルコールを飲みすぎない
仕事といえばアルコールはつきものですが、咳喘息のことを考えると飲みすぎない方が良いですね。特に、アルコールを飲んだ後に咳が出るのであれば、一切飲まないようにしておきましょう。
どうしても断れない席であれば、お酒を飲むペースを調整することも大切になります。無理に勧められるのであれば、「咳が出るのでお酒を控えている」とはっきり言えば納得してくれることが多いですよ。
急な気温の変化を避ける
急に気温が変わる時というのは、誰でも気管支が敏感になりやすいものです。明け方や季節の変わり目に咳が出やすくなるのは、これが原因ですね。
服を着たり脱いだりして、急な温度変化を出来るだけ少なくすることが大切になります。喉に冷たい空気が入ってきても咳込むことが多いので、マスクもつけておくと良いでしょう。
ストレスをためないよう心掛ける
上でもお話した通り、ストレスは免疫力の低下を招いたり、気管支を敏感にすることが少なくありません。ストレスを溜めないようにするためには、ストレスとなるものを避けるか、ストレスを発散することが必要になります。
嫌なことから逃げるのは恥ではありません。避けられるストレスであれば避けるようにしましょう。避けるのが難しい場合には、趣味を思いっきり楽しんだり、運動をすることでストレスを発散すると良いですよ。
まとめ
以上が、咳喘息を引き起こす原因とその対処法ですね。今回のお話をもう一度簡単にまとめておくと、以下の通りです。
- 咳喘息は風邪の後に続いて起こりやすい病気
- ハウスダストやペットの毛、花粉などが原因になりやすい
- タバコやアルコール、ストレスなどが原因になることも
- 原因を取り除くことで悪化を防ぐことが出来る
咳喘息になる原因には色々なものがありますが、症状はどれもほとんど同じです。咳だけが長引くという場合には咳喘息の可能性が高いと考えておきましょう。
咳喘息の症状については、以下の記事で詳しくご紹介しています。自分の症状が本当に咳喘息かどうかをチェックするためにも、一度読んでおくと良いでしょう。
→『咳喘息の症状とチェック方法まとめ!大人と子供で違いはある?』
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