あなたは下痢でお腹がひどく痛くなった経験がありませんか?下痢を出してもお腹の痛みが治らないとなると、忙しい時には困ってしまいますよね。
実はこの下痢を伴うお腹の痛み、原因は意外と身近なところにあることが多いって知っていましたか?
今回は、そんな下痢でお腹が痛い時の原因と治し方について、分かりやすく解説してみました。
この記事を読めば、下痢でお腹が痛い時に何が原因なのか、どのように対処すれば良いのかが分かるようになるでしょう。
下痢でお腹が痛い時に考えられる6つの原因
下痢が出てお腹が痛い時、主に考えておきたい原因は以下の6つです。
- 食べすぎ、飲みすぎ
- お腹の冷え
- 食中毒
- ストレス
- 腸内環境が崩れている
- お腹に関係する病気
この中でも、1~3番までは急に起こる下痢と腹痛、4~5番は慢性的に続く下痢と腹痛ですね。6番のお腹に関係する病気については、急性のものと慢性のもの両方があります。
まずは、この中から思い当たる原因がないかをチェックしてみましょう。以下では、それぞれの症状や特徴も合わせて書いていますので、セルフチェックの参考にしてくださいね。
1.食べすぎ、飲みすぎによる下痢・腹痛
食べすぎや飲みすぎによる下痢や腹痛、吐き気などは、あなたも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
食べ物や飲み物を大量に摂ると、体の中では消化を急ごうとして、胃腸が消化液を多く出しながら食べた物をどんどん奥に送り込もうとします。
ただ、送り込む速度が早くなりすぎると、どうしても食べ物の消化が間に合いません。同じように、腸で吸収されるはずの水分も、十分に吸収されないまま腸を通過してしまいます。
その結果、食べ物や飲み物は消化不良のまま、下痢となって出てきてしまうというわけですね。
ちなみに、食べすぎや飲みすぎによる下痢・腹痛は、主に会社の飲み会などでよく見かける症状です。
飲み会では、消化に悪い油の多いものを食べることが多く、飲み物も大量に飲んでしまいがちなので、食べすぎや飲みすぎが原因となっている人は注意をしておきましょう。
食べすぎ、飲みすぎによる下痢や腹痛の治し方
食べすぎや飲みすぎが原因となる下痢や腹痛は、あくまで一時的なものです。大抵は数時間もすれば落ち着くでしょう。
ただ、暴飲暴食を繰り返すと下痢や腹痛を繰り返すことになりますので、次からはしっかりと予防をすることが大切になります。
具体的には、一度に食べる量や飲む量を減らしましょう。よく言われることではありますが、腹八分目くらいがベストです。
また、同じ量を食べ飲みする場合でも、ゆっくり食べれば下痢や腹痛を起こしにくい傾向にありますので、一応覚えておくと良いでしょう。
2.お腹の冷えによる下痢・腹痛
お腹の冷えによる下痢や腹痛も、多くの方が経験する症状の1つですね。冷たいものを食べ飲みしすぎた場合や、お腹を出したまま寝た場合などがこれに当てはまります。
お腹の冷えによる下痢や腹痛の原因は、一言で言ってしまえば腸が冷えきらないように活発に動くためです。
そもそも、お腹に限らず体は冷えを嫌います。「体温低下=あらゆる生命活動の停止」に繋がるためですね。
お腹が冷えきってしまえば腸の活動は停滞してしまいますから、体は腸を活発に働かせることで体温を維持しようとします。寒い時に体を動かすのと同じ理屈ですね。
結果として腸を通過する時間が早くなり、食べ物や飲み物は十分に消化されないまま、下痢となって出てきてしまうというわけですね。
夏の時期に多い下痢や腹痛の原因の1つで、特に体の未熟な子供に起こりやすい症状と言えるでしょう。
お腹の冷えによる下痢や腹痛の治し方
お腹の冷えによる下痢や腹痛は、基本的にお腹の冷えが治まれば治まります。つまり、お腹を温めることが最善の治療法と言えるでしょう。
布団に入る、腹巻きを使う、温かい飲み物をゆっくりと飲むなど、何かしらの方法でお腹を温めておけば自然と良くなっていきますよ。
また、普段からお腹を冷やさないための予防も大切になります。冷たい食べ物や飲み物を一気に摂らない、お腹を出して生活しないなどの対策が基本ですね。
あとは、夏場でも温かいものを食べ飲みしたり、適度な運動を行うことも対策としては効果的ですね。
温かいお茶や味噌汁を飲む、1日20~30分ほどランニングをするなど、自分のやりやすい形で冷えからお腹を守っていきましょう。
3.食中毒による下痢・腹痛
急に起こる下痢の中でも、特に症状がひどいのが「食中毒」ですね。毎年のように集団食中毒がニュースになるので、あなたも知っているのではないでしょうか。
食中毒は、細菌やウイルスなどに汚染された食べ物や飲み物を摂ることによって起こる急性の感染症です。
簡単に言ってしまえば、大量の細菌やウイルスを飲み込んでしまうことで、急に胃腸炎を引き起こすようなものと考えておけば良いでしょう。
食中毒の原因は、多くの場合が夏場に食べる生肉や生魚などの生の食品です。加熱不足で生焼けのものも原因になりやすいですね。
また、中には加熱しても殺菌出来ない菌、加熱では処理できない毒素を出す菌などもいますので、加熱した食品でも食中毒になる可能性はあります。
原因菌にもよりますが、食事を食べてから発症までは2~3日以内であることがほとんどです。数時間で発症ということもありますね。
症状としては、下痢や腹痛、吐き気、嘔吐といった症状の他に、発熱を起こすものもあります。これらの症状に加えて思い当たる節がある場合には、食中毒を疑うようにしましょう。
食中毒による下痢や腹痛の治し方
食中毒による下痢や腹痛は症状がひどいものが多く、原因次第では放置すると危険なケースもあります。
そのため、下痢や腹痛、吐き気などの症状がひどい場合、発熱がある場合、便に血が混じっている場合などは、すぐに病院を受診するようにしてください。
軽い下痢や腹痛しかない時には様子を見ても問題ありません。ただ、症状が軽くても長引くようであれば、一応病院を受診しておいた方が良いでしょう。
4.ストレスによる下痢・腹痛
意外かもしれませんが、ストレスによる下痢や腹痛は、慢性的に続く下痢や腹痛の中で最も多い原因の1つです。専門的には「過敏性腸症候群」と呼ばれるものですね。
あなたも「緊張でお腹が痛くなる」という話を聞いたことがあるかと思うのですが、これがよくあるストレス性の下痢や腹痛と言えるでしょう。
なぜストレスで下痢や腹痛が起こるのかと言うと、一言で言ってしまえば、自律神経の乱れによって胃腸の働きに異常が出てしまうためですね。
自律神経というのは、体の状態を管理する司令塔のような存在です。そして、自律神経はストレスによる影響を受けやすいという特徴があります。
胃腸などの内臓は自律神経が支配しているので、ストレスによって自律神経が乱れてしまうと、胃腸の働きにも影響が出てしまうというわけですね。
ストレスによる下痢や腹痛の治し方
ストレスによる下痢や腹痛を治すには、当然ですがストレスを出来るだけ減らすことが大切になります。
ストレスになることから出来るだけ遠ざかる、趣味でストレスを発散するなどの対策を行うと良いでしょう。
また、自律神経の働きを整えるためにも、規則正しい生活をすることも必要になりますね。睡眠時間を十分に確保する、食事の栄養バランスを整える、適度な運動を行うといった対策を行っていくようにしましょう。
特に睡眠不足は自律神経を乱してしまいがちなので、睡眠時間は6~8時間ほど取るように心がけてくださいね。
5.腸内環境の崩れによる下痢・腹痛
腸内環境のバランスが崩れた場合も、慢性的に下痢や便秘になりやすくなります。いわゆる腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れた状態ですね。
悪玉菌というのは、腸に悪影響を与える菌のことです。一方、善玉菌というのは腸内で消化のお手伝いをしたり、悪玉菌の働きを抑えてくれる菌のことですね。
簡単に言えば、善玉菌が増えるほど消化が良くなり、悪玉菌が増えるほど消化が悪くなると考えてもらえれば良いでしょう。
つまり、腸内の菌のバランスが悪玉菌に傾くと、慢性的に下痢や腹痛を起こしやすくなるというわけですね。
腸内環境の悪化による下痢や腹痛の治し方
腸内環境の悪化によって下痢や腹痛が出ている場合、生活習慣を見直しながら腸内環境を改善していく必要があります。
特に重要なのが食事の改善ですね。普段から意識的に善玉菌を摂りつつ、善玉菌のエサとなるオリゴ糖などを摂るようにしましょう。
乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌は、主に発酵食品から摂ることが出来ます。
ヨーグルトや納豆、チーズなどをオリゴ糖と合わせて1日1回、朝昼夜どれかの食後に食べると良いでしょう。とにかく毎日継続することがポイントです。
「毎日継続するのが大変…」という方は、腸内環境を整える善玉菌のサプリメントを使ってみましょう。飲むだけなので続けやすいですし、食事の手間もかからないのでおすすめですよ。
6.お腹に関係する病気による下痢・腹痛
ここまでにお伝えしたような原因が思い当たらない場合は、お腹に関係する病気を疑うようにしてください。
以下では、下痢や腹痛を伴う病気の中でも、一般的によく見られる病気を中心にご紹介していきます。
ウイルス性胃腸炎
お腹に関係する病気には色々なものがありますが、よく見かけるのはウイルス性の胃腸炎ですね。いわゆる「お腹の風邪」と呼ばれるもので、知られているウイルスの中では「ノロウイルス」などが代表的です。
「急に下痢や腹痛が出たけど思い当たる節がない…」という場合には、ウイルス性胃腸炎の可能性が高いと言えるでしょう。
感染性胃腸炎の症状は、急な下痢と腹痛に加えて、発熱、吐き気、嘔吐などが一般的です。
盲腸
ウイルス性胃腸炎ほど頻繁ではありませんが、急な腹痛の場合は「盲腸(急性虫垂炎)」も考えられます。
お腹の右下あたりの強い痛みに加えて発熱や嘔吐があれば、盲腸の可能性が高いと言えるでしょう。
盲腸はどちらかと言えば子供に多いので、子供が右下腹部のひどい腹痛を訴えた時には注意が必要ですね。
重度の生理痛
女性の場合、重度の生理痛などでも下痢や腹痛を伴うケースが多いです。生理による出血に加えて腰痛や頭痛、吐き気などを伴っている場合には、生理痛に伴う下痢や腹痛の可能性が高いと言えるでしょう。
通常は、年齢を重ねたり出産を繰り返すことで痛みは落ち着いていく傾向にあります。
ただ、あまりに症状がひどいケースでは「子宮内膜症」や「子宮筋腫」といった病気が隠れている場合もありますので、生理痛だからと軽視するのは止めておきましょう。
その他の病気
その他にも、下痢と腹痛を同時に起こす病気には色々なものがありますが、比較的まれなケースなので、ここでは簡単に特徴をご紹介して終わりたいと思います。
まず、急に下痢と腹痛が出る病気の場合、症状がひどいことが多いのが特徴ですね。下血や発熱など、他の症状を伴うことも多いので、あまり見過ごしてしまうことはないでしょう。
一方で、慢性的に下痢や腹痛が出るケースでは、さほど目立った症状が出ないことも少なくありません。
腹痛を伴う下痢と便秘を繰り返す、便に軽く血が混じっている、軽い微熱が続くなどの症状が現れることもありますが、どれも違和感程度で終わってしまうことが多いのが特徴です。
軽い症状だと放置してしまいがちですが、2~4週間以上続く下痢や腹痛には注意をしておいた方が良いでしょう。
なお、病気による下痢や腹痛の場合は、自己判断で下痢止めや痛み止めの薬を飲んで無理に耐えてはいけません。
どの病気の場合も症状悪化のリスクがありますので、まずは病院を受診するようにしてくださいね。
まとめ
下痢でお腹が痛い時は、まず今回の記事を参考に思い当たる原因がないかを考えてみてください。思い当たる節があるのであれば、それが原因である可能性は高いと言えるでしょう。
あとは、下痢や腹痛の他にどんな症状が出ているかもチェックしてみてくださいね。症状次第では、ある程度原因を絞ることが出来るかと思います。
また、この記事を読んでも原因がよく分からない、明らかに症状がひどい、症状が長引くという場合には、一度病院を受診するようにしてくださいね。