熱中症対策に出された飲み物

 

この夏の暑い季節、健康に気を使っている方が気になる病気と言えば、やはり「熱中症」ですよね。

熱中症は子供や大人を問わず誰でも発症する可能性があり、特に暑い環境で仕事をする人やスポーツをする人は対策をしておきたい病気の1つです。

 

そこで今回は、熱中症対策の基本とも言える市販の飲み物についてまとめてみました。

医療職の僕が医学的に考えて本当におすすめ出来る飲料水を、理由とともに5つご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

ちなみに、選び方の基準は以下の3点です。

  • 塩分(ナトリウム)が十分に含まれているか?
  • 体への吸収が早いか?
  • 大多数が知っている飲み物か?

 

基本的には、下に行けば行くほど熱中症対策に必須な塩分量の多い飲み物になっています。また、誰でも知っているような見つけやすい商品を中心に選んでいます。

前半の2つが普段の生活でも取り入れやすい飲み物で、後半3つは動いて汗をかいた時に効果的な飲み物になっていますので、あなたの生活に合わせて取り入れてみてください。


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本当におすすめ出来る熱中症対策の飲み物5選

ミネラル入り麦茶

麦茶

 

よくスーパーなどでも売っているミネラル(塩分など)が含まれた麦茶ですね。含まれる塩分量は商品にもよりますが、100mlあたりにおよそ0.03gとかなり控えめです。

ただ、後ほど紹介するスポーツドリンクなどと比べて糖分を摂り過ぎる心配がなく、普段の生活で飲むのにとても適していると言えるでしょう。

 

また、麦茶には体を冷やす効果があることも分かっているため、夏バテなどの対策としても効果的と言えますね。

ミネラル入りの麦茶は基本的にカフェインも含まれていませんので、コーヒーや緑茶のようにトイレが近くなって水分が出て行ってしまうという心配もありません。

 

ただ、普段使いするのに便利な反面、外出時やスポーツ時に飲むには塩分量が足りておらず、汗をかく場面での水分補給には適していないのが欠点ですね。


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牛乳

牛乳

 

牛乳もミネラル入り麦茶と同じく、普段の生活で使いやすい熱中症予防に良い飲み物です。

実は、牛乳にはスポーツドリンクに匹敵するほどの塩分が含まれており、およそ100mlあたりに0.1gほどの塩分が含まれています。

 

しかも牛乳の熱中症に対する効果はこれだけではありません。実は、熱中症に強い体を作ってくれる成分も含まれているんです。

牛乳にはアルブミンという血液成分の原料が含まれており、一言で言うと体の血液量を増やしてくれる効果があります。

 

血液量が増えると、血液から作られる汗の量が増えますし、血管内に流れる血液量が増えることで血管が広がり、熱が体の外に逃げやすくなります。

つまり、体温調節がしっかりと出来る、熱中症になりにくい体を作ることが出来るというわけですね。

アルブミンは運動をすることで作られやすくなるので、運動直後に牛乳を飲むとより効果が期待できますよ。

 

ただ牛乳にも欠点はあり、純粋な水分補給にはあまり向いていません。牛乳は栄養素が豊富な反面、腸での水分吸収に時間がかかってしまいます。

そのため、事前に飲んでいると熱中症には強くなりますが、いざ運動をした後や汗をかいた後に飲むには向いていないと考えておきましょう。

 

アクエリアス

 

スポーツドリンクの定番といえば、やはりアクエリアスですよね。

アミノ酸やクエン酸といった疲労回復に効果のある成分が含まれているので、運動前や運動後の水分補給におすすめの飲み物です。

 

塩分が100ml中におよそ0.1g含まれているだけでなく、腸管での水分吸収を促してくれる糖分も含んでいるため、熱中症対策飲料としての基準を満たしています。

また、人工甘味料を使ってカロリーを抑えており、甘めのスポーツドリンクの中では比較的ダイエット中でも使いやすい飲み物と言えますね。

 

ただ、含まれている糖分量はやはり多いので、普段からガバガバと飲むのには向いていません。水やお茶の代わりとして飲むのはやめましょう。

また、ノーマルなアクエリアスは濃度がやや高く、熱中症対策に特化した飲み物と比較すると少し水分吸収の早さが遅い点もデメリットですね。

 

運動後の疲労回復まで考えて飲むのであればおすすめですが、熱中症対策として飲む分には以下の2つの商品に軍配が上がります。

 

ポカリスエット

 

ポカリスエットはメジャーなスポーツドリンクの中では、熱中症対策に最適と考えて良いでしょう。「飲む点滴」と言われる通り、体調が悪い時に使うことも想定されている飲み物と言えます。

熱や下痢などで体調の悪い時に、病院で勧められた経験がある方もいるのではないでしょうか?

 

含まれる電解質(ミネラル)はほとんどの成分がアクエリアスより多く、塩分量は100ml中におよそ0.12gと、市販の飲み物の中ではかなり多い方と言えますね。

水分吸収の早さは、ポカリスエットとアクエリアスでそこまで大きな差はありませんが、どちらかと言えば計算上ではポカリスエットが一歩上手です。

 

このような点から、水分補給と塩分補給という部分で考えた場合は、アクエリアスよりポカリスエットの方がより適していると考えて良いでしょう。

 

ただ、どちらかと言うと体調不良の際の水分補給を想定した商品なので、カロリー量はアクエリアスと比べると若干高めになっています。

糖分も多めに含まれていますから、アクエリアスと同じく、普段から飲むのには少し不向きと言えるでしょう。

 

経口補水液OS-1

 

経口補水液OS-1は、熱中症の季節になるとテレビでもよくCMが流れるので、見たことがある方も多いのではないでしょうか?

ポカリスエットと同じ「大塚製薬」という会社が出している商品なのですが、熱中症対策としては最強との呼び声の高い飲み物ですね。

 

その理由は、ポカリスエットと比べても圧倒的に電解質が豊富な点で、なんと塩分が100ml中に0.3gも含まれています。

水分吸収の早さもスポーツドリンクに比べて早く、糖質もバランスよく配合されていますので、熱中症になりかけの場合や既に熱中症になってしまった場合には、文句なく最強の飲み物と言えるでしょう。

なお、カロリーもスポーツドリンクと比べると低めになっています。

 

ただ、経口補水液OS-1はどちらかと言えば、「既に脱水状態になった、あるいはなりかけている」という時に便利な飲み物です。予防として飲むものではありません。

そのため、激しい運動をした後や既に熱中症のような症状が出ている時などに飲むと良いでしょう。

 

味もスポーツドリンクと比べると塩っぽさが目立って美味しいとは言えませんので、日常生活で汗をかいた時に使う分には、ポカリスエットなどで十分ですね。

また、塩分量が飲み物としてはかなり多い方なので、高血圧や腎臓疾患のある方は医師と相談して使うようにしましょう。

 

水分補給のタイミングやとり方について

水分補給をする大人

 

水分補給のタイミングについてですが、基本的には喉が渇くよりも前に飲んでおくのが理想です。

大人の場合は多少喉が渇いても問題ないケースも多いので、「多少は大丈夫でしょ」と思うかもしれませんが、子供や高齢者の場合だと「気づいたら熱中症になっていた」ということが少なくありません。

 

喉が渇いている時点で既に軽い脱水症状ですので、水分補給は30分ごとを目安に、200ml程度の量をこまめに飲むようにしましょう。

日常生活の中で言うと、寝起きや寝る前、お風呂に入る前後などには特にしっかりと飲んでおくのがおすすめです。

 

水分のとり方としては、がばがばと飲まずにゆっくりと飲むのがポイントですね。勢いよく飲んでしまうと体に十分に吸収されず、そのまま排泄されてしまう可能性があります。

また、常温の飲み物よりも多少冷たい飲み物の方が熱中症対策には効果的です。ただ、冷たすぎるのもお腹に良くありませんので、温度は5~10℃くらいがベストと考えておきましょう。

 

まとめ

普段は麦茶や牛乳などを飲むようにして、汗をかく状況ではポカリスエット、激しい運動後や既に熱中症の症状が出ている場合には経口補水液OS-1がおすすめです。

普段から運動をしているのであれば、アクエリアスかポカリスエットを運動前や運動中に飲むと良いでしょう。

 

また、スポーツドリンクを普段使いしたいのであれば、アクエリアスなどを2~3倍に薄めた手作りドリンクを作るのも良いですね。

糖分の摂りすぎを抑えることが出来ますし、水分吸収も早くなるので、じわじわと汗をかくような環境であれば使いやすいですよ。

逆に、エアコンの効いた屋内にいることが多く、さほど汗をかかない場合には麦茶や牛乳で十分です。

 

無理に飲み物で塩分を摂らなくても、食べ物で摂ることも出来ますので、食事と合わせて必要な塩分を補給するようにしましょう。

『【食事で熱中症対策】おすすめの食べ物ランキング!』