発熱と寒気でぐったりする女性

 

「熱中症だと思っていたのに寒気で鳥肌が立ってきたんだけど…これって本当に熱中症?」

 

炎天下の中、突然のめまいや立ちくらみで気持ち悪い…となると、真っ先に考えておきたいのが「熱中症」です。

ただ、熱中症で寒気や震えが出ることもあるという話は、意外と知らない人も多いのではないでしょうか?

 

実はこの熱中症による寒気、発熱の前触れとして出ることが多く、とても注意が必要な症状なんです!

そこで今回は、熱中症で寒気や発熱が起こる原因と対処法について詳しくまとめてみました。


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熱中症で寒気や発熱が起こる原因は?

原因を説明する医師

 

熱中症というのは、分かりやすく言えば「暑さによって起こる体の異常」です。

細かいことを言えば色々なことが起こっているのですが、簡単に言ってしまえば暑さで汗をかきすぎて「脱水症状」が起こっている状態が熱中症というわけですね。

 

脱水症状が始まると、めまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気などの症状が現れると同時に、制御しきれなくなった体温が徐々に上昇を始めます。

この時、体温が上がる前触れとして出てくるのが寒気で、実際に体温が上がり始めると発熱するという流れですね。

つまり、熱中症の症状として寒気が出ている場合、既に脱水症状が進んでいる可能性は高いと言えるでしょう。

 

ちなみに、寒気が出るのは体の深部の体温が上昇しているためです。

自分の体温が上がった分、外の気温を低く感じるために寒気が出るというわけですね。鳥肌や震えが出てくるのもこのせいです。

 

熱中症の症状が悪化する一歩手前のとても危険な状態ですので、すぐに適切な対処を行う必要があります。


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熱中症で起こる寒気や発熱の特徴

濡れタオルで熱を冷ます男性

 

熱中症による寒気や発熱が起こっている場合は、既に他の熱中症の症状も出ている可能性がとても高いと言えます。

例えば、喉が渇く、肌が乾燥する、気分が悪くなる、めまいや立ちくらみが出るといった症状が合わせて出ている場合には、熱中症を疑った方が良いでしょう。

 

これらの症状に加えて、つい先ほどまで暑い環境にいた、大量の汗をかいていた、いつも室内ではクーラーをつけていないといった場合には、熱中症の可能性大です。

熱中症の症状については、『【熱中症の症状】初期症状は頭痛や吐き気、下痢に注意?』でまとめていますので、合わせて確認しておいてください。

 

ゆっくりと起こる軽い熱中症も要注意

急激な症状こそないものの、じわじわと熱中症になってしまうケースも存在します。以下のような症状が続いている場合には、これも熱中症の可能性がありますので注意しましょう。

  • 最近体調が優れない
  • 気分の悪さが続く
  • 時折めまいや立ちくらみが出る
  • 下痢が出る

 

水分は摂っていたけど塩分をあまり摂っていなかった、クーラーをつけていないような暑い部屋で過ごしているといった場合に起こりやすい症状です。

ゆっくりと脱水症状が進んでいる状態ですので、寒気に合わせて上に書いたような症状がある場合も熱中症を疑うようにしてください。

 

詳しくは『熱中症で下痢や腹痛の症状が治らない!原因と対処法は?』でご紹介していますので、特に下痢などの症状が出ている場合には読んでおくと良いでしょう。

 

熱中症で寒気が出た時の対処法

熱中症対策の飲み物

 

まず、急に体調が悪くなって熱中症になった場合は、以下の記事で書かれている応急処置から行うようにしてください。

『熱中症になったら病院はどうする?症状が軽い場合の対処方法は?』

 

応急処置をして多少落ち着いた後に寒気が残っている場合は、まだ脱水症状が続いているサインです。

脱水症状を改善するために、こまめに水分と塩分を補給しながら安静にしておくようにしましょう。

飲み物は塩分を豊富に含んでいる「経口補水液 OS-1」がおすすめですが、手元になければ「ポカリスエット」「アクエリアス」といったスポーツドリンクを飲むようにしてください。

 

また、熱中症の場合は寒気がするからといって体を温めるのは逆効果になります。

応急処置の時と同じように、出来るだけ涼しい環境にして余計な熱がこもらないようにしましょう。


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寒気に加えて発熱も出た場合の対処法

病院と救急車

 

熱中症で発熱するのは、体温調節が追いつかなくなったからです。つまり、既に体は体温調節をする余裕がないほど弱りきっているというわけですね。

特に40度を超えるような高熱の場合は命に関わりますので、すぐに救急車を呼ぶようにしてください。救急車が来るまで、応急処置も行っておきましょう。

 

発熱が38度前後の微熱の場合は、まず応急処置から始めると良いですね。体を安静にさせて体を冷やし、水分と塩分を補給しましょう。

ただ、足がふらふらで意識もはっきりしないという場合は、下手に水分を飲ませると危険ですので、発熱が38度前後だとしても救急車を呼ぶようにしてください。

 

また、軽めの症状であったとしても、症状がすぐに回復しない場合は病院を受診するようにしましょう。

病院では点滴などの治療も行ってもらえますので、吐き気や嘔吐などの症状で水分が摂れない場合にも受診することをおすすめします。

 

参考:『熱中症の頭痛や吐き気の治し方!翌日も続く場合の対処法は?』

 

熱中症の発熱に解熱剤などの薬は使っても良い?

熱があると解熱剤を使いたくなる方もいると思うのですが、熱中症の発熱に解熱剤を使ってはいけません。

そもそも熱中症による発熱は一般的な熱とは根本的に異なりますので、解熱剤はほとんど効果がないんです。

 

つまり、解熱の効果は一切得られず、副作用だけしっかりと受ける形になりますので、下手をすると症状が悪化します。

このように、熱中症の場合は解熱剤を使っても良いことがありませんので、市販薬などをむやみに使うのは止めておきましょう。

 

熱中症の熱を下げたい時には、応急処置と同じ方法が効果的です。つまり、出来るだけ涼しい場所で服を可能な限り脱ぎ、保冷剤などで頭と体を冷やすと良いでしょう。

熱がなかなか下がらない場合には、首の裏と脇の下、太ももの付け根の3ヶ所を同時に冷やすと、効率よく熱を冷ますことが出来ますよ。

 

まとめ

熱中症は子供や大人関係なく起こり、後遺症や命の危険もある身近な病気の1つです。

中でも寒気や発熱が出る状況というのは「熱疲労」という症状で、発汗による脱水症状が既に起こっている状態ですので、今回お伝えしたような対処法で迅速に対応するようにしましょう。

 

また、熱中症はあなたが思っているより症状が長引くことの多い病気です。

1日で完治ということはあまりなく、治療期間は数日~1週間ほどかかることが多いので、体調が万全になる前から無理をしないようにしてくださいね。

 

特に、子供や高齢者の場合は、元々体力があまりないために熱中症を繰り返してしまうことも少なくありません。

繰り返さないためには普段からの熱中症対策が重要になってきますので、以下の記事を参考に熱中症を予防していきましょう。

『熱中症対策に良い飲み物まとめ!医学的におすすめの飲料5選』